北陸新幹線の早期新大阪延伸を訴え 福井県、福井・敦賀開業は効果くっきり
北陸新幹線の敦賀―大阪間の早期全線開業に向けた機運醸成を図るため、福井県は10月9日、大阪市中央区の心斎橋角座で関西地区のメディアを集めた説明会を開いた。あわせて今年3月の北陸新幹線福井・敦賀開業後の県内の効果について紹介した。
北陸新幹線は、東京―敦賀の開通で全体の8割が開業。残る2割は敦賀―小浜―京田辺―新大阪で、福井県未来創造部新幹線・交通まちづくり局の姫川祐一局長は「東京、大阪の二大都市圏を結ぶ代替ルートの必要性は、9月の台風10号による東海道新幹線の計画運休で北陸新幹線を使って移動した人が多かったことで証明されました。南海トラフなども予測される中で、北陸新幹線の敦賀―新大阪開業は大切です」。
一時、北陸新幹線は敦賀と米原を結び東海道新幹線と連絡するルートが検討されたが、東海道新幹線のダイヤは飽和状態であるうえ、一部でも東海道新幹線と共用することで「代替機能は発揮できません」と姫川局長は強調した。
敦賀―新大阪間については、京都市内は地下を走ることは決まっているものの駅の場所が明確でないことから今年度中に詳細な駅位置とルートが決まり、環境アセスメントなどを経て最短で令和8年度末の着工が見込まれている。全線開業に伴う交流人口は全国で年間1910万人増加させ、経済波及効果は年間2700億円と推計されている。ちなみに京都―小浜間は現在2時間9分かかっているが、新幹線開業後は19分にまで短縮するという。姫川局長は「小浜までの時間短縮に衝撃を受けましたが、ぜひ関西地区の機運を盛り上げて北陸新幹線を1日も早く大阪につなげたい」とアピールした。
一方、北陸新幹線福井・敦賀開業についても姫川局長が説明。「3月16日の開業日には福井にこんなに人がいたのか、とびっくりするぐらい福井駅周辺に4万5千人が集まりました」。開業半年で、県内各駅の来放縦者数の推計値で関東圏からは前年比142・0%の66万6千人、信越から同175・8%の10万9千人と新幹線で直結したエリアの来訪者が大きく伸びた。敦賀駅で在来線から乗り換えなければならない関西圏は同122・3%の128万4千人、中京圏は同106・2%の39万6千人と前年を上回った。県内主要観光施設も敦賀赤レンガ倉庫が148%、永平寺129%、福井県立恐竜博物館119%、一乗谷朝倉氏遺跡博物館と東尋坊が111%と軒並み前年を超え、新幹線開業効果が表れた。
姫川局長は「敦賀―新大阪駅の開業はまだ20数年かかります。日本一高い37㍍もあるプラットホームから北陸のハワイと呼ばれる水島が見え、改札が19ありこれまた日本一と言われる敦賀駅を北陸新幹線の起点駅として何かしなければならないと思っています」と話し、在来線からの乗り換えの不便さをプラスに転換するアイデアを求めていた。
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