熊野古道・紀伊路、官民連携で活性化 和歌山県日高管内の7市町ら
「熊野古道・紀伊路」の価値を高め観光振興につなげようと、和歌山県日高管内の7市町と日高広域観光振興協会、ユニスト・ホールディングス(本社・大阪市)が連携協定を締結した。沿道の空き家を活用した宿泊施設の整備や地元産品を活用した食事メニューと土産品を共同で開発。熊野古道・紀伊路を約15日間かけて歩くツアーを造成し、インバウンドの誘致につなげる構想だ。
御坊市の和歌山県日高振興局で1月10日に行われた調印式で、不動産やホテル運営事業を手掛けるユニスト・ホールディングスの今村亙忠社長が「紀伊路SCAPE事業」としてエリアの観光開発について説明した。今村社長によると「20㌔から30㌔ごとに泊まってもらい歩いてもらうイメージ」として、熊野古道の沿道に10-20人収容規模の宿泊施設を15カ所程度に設ける。景観のいいポイントにはベンチを設置するほか、大荷物を運ぶサービスやトレッキンググッズのレンタルなども行い「唯一無二の体験として商品化していく」という。地域と共同でグルメの開発やイベントなども手掛け「地方に経済を運ぶきっかけとなる事業を生み出す」とし、2030年に30億円規模の経済効果を熊野古道沿線に創出する考えだ。
紀伊路は、大阪市中央区の天満橋から中辺路、大辺路との分岐点である和歌山県田辺市に至る約250㌔。古来、皇族らが通る主要ルートの一つだった。熊野古道では最長の503㌔に及ぶ石畳道が残る鹿ヶ瀬峠(日高町)などが残るが、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」には指定されていない。
ユニスト・ホールディングスの構想では、大阪から熊野那智大社までを3つのプロジェクトに分け、すでに中辺路ルートでは3つの宿泊施設を開業。今回連携協定を結んだ日高管内には3つの宿泊拠点を設ける予定で「官民協働で人を呼び込む起爆剤に」(御坊市・三浦源吾市長)、「地方の魅力を残していくことが日本全体の活力につながる」(みなべ町・山本秀平町長)など、地元側も事業への全面的な協力とともに地域活性化への期待感を口にしていた。
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