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人、ソラチカを生かせ 関西観光アド会議、岸和田市に提案書交付/大阪

25/03/28

国土交通省近畿運輸局が設置している関西観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=京都外国語大学特任教授)は3月12日、2023年度の重点支援地域に選んでいた大阪府岸和田市に観光まちづくりへの提案書を交付した。吉兼座長と近畿運輸局観光部の後藤孝行次長が岸和田城に隣接する五風荘で、同市の波積大樹副市長に手渡した。

アドバイザリー会議は旅行会社や観光シンクタンク、鉄道会社、観光関連団体などに所属する14人の委員で構成。06年度から近畿2府4県で支援を希望する自治体を選定し、観光商品化やマーケティングの視点から市町村へ観光まちづくり推進の方策を提言している。

今年度の重点支援地域に選ばれていた岸和田市は、全国区の知名度を誇る「岸和田だんじり祭」をはじめ岸和田城、岸和田ビールを製造する北海鉄工所、昔ながらの手づくり醸造を行う井坂酒造など市内に観光資源が点在する。一方で、観光資源間のアクセスや連携が不足し、観光ルートやエリアとしての誘客に課題を抱えていた。

アドバイザリー会議では昨秋、市内を視察。現地関係者と意見交換や複数回の会議を重ねて岸和田市の観光まちづくりの方策を検討していた。

岸和田市に提案書交付

現地視察で岸和田城を見学

提案書では、岸和田市内の観光事業者と市民が参加した視察時の意見交換会や地域側検討会を通じて「岸和田人」が観光まちづくりの推進力になるとし、岸和田市観光まちづくりワーキンググループの発足を促した。その上で、活動理念や未来像などを共有し、ターゲット設定によるストーリー性の創出、だんじり祭を深化した「だんじりツーリズム」の創造、関西国際空港に近接する“ソラチカ”の立地を生かしたインバウンド向けミニツアーの実施などを提言。さらに市内を3つのエリアに分けて、エリアごとのマーケティングとマネジメントについても進言した。

交付式で後藤次長は「地域の人が一番の観光資源。提案書の中心に据えた」。吉兼座長は「岸和田市の価値を高めることが目的で、観光客をひきつける磁石は人にこそある。顔が見える観光で、市民からのおすそ分けを観光客に贈ってほしい」などと話した。

提案書を受けとった波積副市長は「できることから一つひとつやっていきたい。インバウンドは帰りに寄ってもらうという明確なコンセプトをいただいた」と述べ、提案書が示したワーキンググループの実現にも意欲を示した。

関西観光アド会議

波積副市長(右)に提案書を手渡す
吉兼座長(中)と後藤次長

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