横浜EXPOなど議論 関東運輸局と関東地方整備局、観光ビジョン会議を開催
関東運輸局と関東地方整備局は3月12日、第9回観光ビジョン推進関東ブロック戦略会議を横浜市中区の横浜第二合同庁舎で開いた。観光地域づくり・二次交通・観光資源魅力向上の3つのワーキンググループ(WG)の取り組みを報告・承認したほか、横浜市旭区で開かれるGREEN×EXPO2027(2027年国際園芸博覧会)や、関東運輸局が江戸街道を統一テーマに推進する「江戸街道プロジェクト」、関東広域観光機構の体制強化について議論した。
冒頭、関東運輸局の藤田礼子局長が「2024年の訪日外国人旅行者数、消費額が過去最高を記録する一方で、宿泊業では労働力不足、オーバーツーリズム対策など新たな課題にも直面している。観光による経済効果を関東全域に波及するには、地方誘客の取り組みが重要となる」と述べ、官民一体での取り組みの重要性を強調した。
WGの報告では、インバウンドの回復や持続可能な観光地域づくりに関する取り組みなどを共有した。
今後の取り組みについては、ブロック戦略会議における観光施策の当面テーマ「地域間・『GREEN×EXPO2027』連携による広域観光の促進」および、「江戸街道プロジェクト」を活用した各施策の検討、関東広域観光機構の体制強化について意見が交わされた。

関東一円に横浜EXPOの開催効果を
波及させる議論が行われた
2027年国際園芸博覧会協会からGREEN×EXPO2027について概要が説明された。GREEN×EXPO2027は、27年3月19日―9月26日に神奈川県横浜市の旧上瀬谷通信施設で開かれ、約1500万人の来場、70の国・国際機関の出展が見込まれている。テーマは「幸せを創る明日の風景」で、会場内には・国際出展・シンボル・日本―の3つのゾーンや共創事業として5つの「Village」が設けられる。開催1千日前イベントでは、公式マスコットキャラクターとして「トゥンクトゥンク」が発表されている。
江戸街道プロジェクトは、広域関東(1都10県)の魅力を「江戸街道」という統一テーマでブランディングし、街道観光の推進を通して地域を活性化する取り組みで、関東運輸局が22年度から主導。24年度は、観光庁補助事業を通じた支援や、街道観光ポータルサイトの本格運用に向けた取り組みが行われた。今後は、観光庁「地域観光魅力向上事業」「地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業」での支援のほか、JNTO広域連携プロモーション事業を活用した江戸街道プロジェクトのプロモーションなどが行われる予定。
関東広域観光機構の体制強化については、人材(職員数)の不足、資金不足により十分な活動ができていないこと、多様な関係者の参画が不十分であることが課題として上がった。
意見交換では、インバウンド受け入れ体制の整備向けたコンテンツの磨き上げやプロモーション、二次交通の充実、DXを活用した自動化を求める声が上がった。
閉会あいさつで、関東地方整備局の岩﨑福久局長は「国際園芸博覧会の開催まで2年となったが、開催を契機にインバウンド需要を関東一円へと効果を波及させていくことが重要だ」と話し、体制づくりやコンテンツの造成、環境整備・情報発信などを行いながら、開幕までにおける効果の地域への波及の必要性を説いた。
観光ビジョン推進関東ブロック戦略会議は「明日の日本を支える観光ビジョン」の目標実現に向け、地域の課題解決や観光振興に向けた戦略および計画の協議を行う場として17年から開催している。
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