３月の訪日外客は68万人　10年比４・４％減で震災前水準まで回復

日本政府観光局（ＪＮＴＯ）はこのほど、３月の出入国統計（推計値）をまとめた。訪日外客数は前年同月比92．４％増の67万９千人。東日本大震災が直撃した昨年からは大きく回復したが、２０１０年との比較では４．４％減となった。

ＪＮＴＯでは東日本大震災、福島第１原発事故の影響で昨年３月以降の数値が著しく変動しているとして、今回の統計から10年との比較した結果も発表。３月単月では10年比で減少しているが、今年１―３月の累計では10年比５．１％減となり、震災前の水準にまでほぼ回復してきた。

訪日国別でみると、中国は過去最高だった10年を上回る13万人を記録。10年との比較では中国のほか台湾、香港、イギリス、インドからの訪日が増えた。

ＪＮＴＯでは訪日客回復の要因として、花見旅行需要の高まりやプロモーションの効果を挙げた。一方で、いまだ放射能汚染への懸念、円高がマイナス要因と分析している。

出国日本人数は、同21．４％増の１７２万５千人。10年比でも10．４％増で、３月としては過去最高を記録し、９カ月連続で前年を上回った。