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4月の訪日外客、単月初の90万人台 観光庁長官「さらなる底上げを」

日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)が5月22日に発表した4月の訪日外客数(推計値)は前年同月比18.1%増の92万3千万人。単月としては初の90万人台、過去最高の数値を記録した。

これまでの4月の最高だった2010年を13万5千人、全月で最高の10年7月を4万4千人上回るという大幅増。JNTOでは今回の躍進について、春の桜シーズンに向けたプロモーションが功を奏したことに加え、昨今の円安傾向による訪日旅行の割安感、航空座席供給量の増加などが要因としている。

国・地域別にみると、台湾、タイ、ベトナム、フランス、ロシアが単月として過去最高、韓国、香港、シンガポール、マレーシアなどが4月として過去最高を記録するなど軒並み好調。韓国は東京などへの商品造成やアピール強化を行い、同33.7%増の20万4千人、中国は日中関係の冷却化が響き、同33.0%減の10万人だった。タイは旅行シーズンとビジット・ジャパン事業の広報が奏功し同46.9%増の6万人と大きく伸びた。東南アジア諸国はここ数カ月最高数値の更新を続けており、市場としての存在感は高まるばかりだ。

13年1―4月の訪日外客数累計は同18.0%増の317万8千人だが、伸び率は3月までと変わらず。これを受け、井手憲文・観光庁長官は同日開いた記者会見で、「このままでは(年間目標の)1千万人には届かず980万人台となる。過去最高で喜んでいるだけではいけない」と慎重な姿勢を崩さなかった。加えて、「さらに積み上げたペースを維持することは簡単なことではないが、底上げへの努力をしていきたいと思っている」と話し、東南アジア諸国の早期のビザ緩和や、中国市場へのプロモーションの継続などに取り組む意向を示した。

JNTOも情報発信やキャンペーンの強化を今後も図り、目標達成を目指す。

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