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10月の訪日客数は単月過去最高の92万9千人 1千万人達成へスパート

日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)は11月20日、10月の訪日外国人客数(推計値)は前年同月比31.5%増の92万9千人と発表した。10月単月としては過去最高の数値で、伸び幅も前月並みで好調を継続。目標に掲げる訪日客1千万人の達成には残り2カ月で約140万人となり、いよいよゴールが見えてきた。

10月単月の過去最高は2007年の78万5千人で、これを14万3千人上回る大幅増。JNTOでは円安傾向と海外プロモーションが好影響を与えたと見ており、春から続く躍進は持続し、高いレベルで定着してきた感がある。

10月の好調は中国の回復基調が目立ってきたことも大きそうだ。前月も1年ぶりに前年を上回ったが、10月は同74.1%増の12万1千人で10月単月の最高を更新。国慶節による休日増と日本への忌避感の薄れから個人に加え、団体需要も戻ってきた。訪日客増への懸念事項の1つが解消されつつある。

そのほか国・地域別では、台湾、香港、シンガポール、ベトナムと、フランスが10月の過去最高を記録。タイとマレーシアは通年でも単月で最高を更新するなど、査証緩和措置を要因とする東南アジア諸国の好調が継続している。

訪日客数トップは台湾の21万4千人で同58.0%増。韓国が15万8千人で続くが、福島第一原発の汚染水問題が響き同5.9%減となった。そのほかフランスや米国など欧米豪市場も好調だった。

13年1―10月の訪日外客数累計は同23.4%増の865万9600人。残り2カ月を70万人平均でいけば1千万人はクリアとなる。前年並みでは苦しいが、現在の好調が続けば可能性は高い。

久保成人観光庁長官は11月20日の会見で、韓国がマイナスになり引き続き見通しが厳しいことに触れ、「予断を許さない状況。年末までさまざまな手段を講じ、最大限努力したい」と兜の緒を締め、全力で駆け抜ける構えだ。JNTOもプロモーションの強化を継続し、目標達成を推し進める。

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