中国、香港でFIT化進む JNTOインバウンドフォーラム、現地事務所長が市場を解説
日本政府観光局(JNTO)は9月14日、大阪市北区のANAクラウンプラザホテル大阪で「JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開催した。18回目を迎える同フォーラムが大阪で開かれるのは今回初めて。
フォーラムでは、世界20カ国・地域における最新の訪日マーケット動向についてJNTOの現地事務所長がデータや肌感覚を交えて解説。ここ最近課題になっている地方誘客についても、先行した取り組み事例などを紹介しながら方向性を示した。
はじめにJNTOの山崎道徳理事があいさつし「2020年に向けて、量から質への転換が求められている。政府は観光産業を基幹産業化すると目標を掲げている。JNTOとしても直接利益をもたらしてくれる欧米豪のマーケットにフォーカスし、富裕層の誘致や消費額が高いMICEへの取り組みを行う」と述べた。
また、訪日外客の地方への動きを顕在化させるために「地方とのコミュニケーションを深め、ワークショップ・セミナーを地方都市で開催し、地域の皆さんと膝を交えて討論したい」と話し、今年度中に鳥取県倉吉市など10カ所で開催する予定だとした。
訪日市場でもっともシェアが高い東アジアマーケット。中国市場については、今年に入って3―6月の伸びが低減した。その要因は、中国の個人所得の伸びが鈍化し、国内旅行や香港・マカオなど身近な旅行が増加。一方で、訪日客は個人FIT化が進み個人6、団体4の割合になった。
香港は、総数が伸びている反面、今夏の旅行会社の取り扱いが前年割れを起こすなど、個人手配派が増加。目的地最優先型とエア選考手配型に大別され「行ったことがない場所、やったことがないコト」へのニーズが高く、自撮りもキーワードだという。地方への旅行志向も高く、誘致プロモーションに積極的な鹿児島県、鳥取県、岡山県を訪れる香港客は急伸している。JNTOでは「ゆるたび」を新たなトレンドとして売り込む。
台湾はクルーズ、韓国は女子旅と親孝行の旅が訪日旅行をけん引する。
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