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旅行再開に影響与える「コロナへの危険性の認識」 JNTO、訪日旅行需要回復に向け調査

日本政府観光局(JNTO)はこのほど、「訪日旅行市場における新型コロナ感染症の影響と需要回復局面の旅行者ニーズと志向に関する調査」を実施、結果を発表した。主要市場のなかから台湾、香港、英国、豪州を対象に9月、オンラインでアンケートを行い、需要回復が早い市場や契機、ウィズコロナ下での旅行トレンドなどを分析、今後の反転攻勢に向けた施策展開につなげていく。

「需要回復が早く進む市場」についての分析は、まず「次の海外旅行を検討しているか」の問いから。「コロナ収束」の台湾と豪州は慎重姿勢。特に台湾は「検討していない」が49・2%と抜きんでて多く、「コロナの危険性の程度」の問いに「高い」と答えた割合が91・0%と警戒感の強さが慎重にさせているようだ。

一方で「未収束」の英国は81・5%が検討中。JNTOでは危険性の認識については文化の違いがあることに加え、「夏季のEU圏内の旅行規制の緩和が影響しているよう」、アジアも「2国間の合意で旅行規制の緩和が先行した国で旅行計画検討が先行する可能性がある」と分析している。

では、訪日旅行の再開時期は。近距離の香港や台湾は今年12月までが5割超となったが、長距離の英国と豪州は2022年中が5割超と、危険性の認識調査とは反対の結果になったが、台湾は「わからない」が24・2%と多く、渡航規制解除なら行きたいけど不安感も高く困惑している様子がうかがえる。危険性の認識と再開時期の関係性には今後も注視すべきだろう。

訪日外国人客

いつ戻ってくるのか
(イメージ)

需要回復をリードする層について、年代別や収入などで分析したが、強い相関は見られず。ただ、訪日経験の有無で各市場とも経験者の方が訪日旅行再開に意欲的という結果が出た。それでも経験者に今後の訪日頻度を問うと、台湾は51・9%が以前より下がると回答、香港も「増える」より「減る」が多いなど、JNTOでは「訪日意向がある経験者でも今後の訪日頻度は以前よりも低下するおそれがある」と指摘している。

「海外旅行再開の契機」については、「治療薬の発見」「治療法の向上」「ワクチン接種」が各市場とも上位に。ウィズコロナ下での旅行トレンド調査では、今後の旅先でのアクティビティの実施頻度は大半の項目が「減る」が「増える」より多いものの、全項目で「変わらない」が過半数を占めた。「自然体験」のみ4市場で「増える」が「減る」を上回り、三密を連想させる項目は「減る」が多い傾向だった。

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