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誘客には事前の情報発信が必須 JTB総研らが訪日旅行者の「旅マエ・旅ナカ」行動意識調査

JTB総合研究所はこのほど、Cint Japanと共同で実施した「旅マエ~旅ナカにおける訪日旅行者の行動変化と持続可能な観光への意識調査」の結果をまとめた。訪日旅行者の約8割が、旅前に旅程をほぼ決めることが明らかに。誘客には旅行者の特性に応じた「旅マエ」の情報提供が重要であるようだ。

調査は、旅行者の情報収集や行動パターン、持続可能性への意識から誘致に向けたヒントを抽出しようというもの。調査対象はアジア、欧米から訪日客数の多い13カ国を選定し、9月にインターネットアンケートで実施した。

訪日旅行者が海外旅行の旅程を決めるのは、「ほぼすべて出発前に」が40・1%、「出発前に大体」が41・2%と8割強が旅マエにすでに決定している結果に。旅行日数が長いほど旅程の決定割合は下がるが、大体決めている割合は31日以上でも約7割弱。旅行日数による違いはそれほどない。旅行形態別では個人旅行者が82・9%が旅前に決めており、「ホテルと交通手段のみのパッケージツアー」利用者よりも旅程をしっかりと検討しているよう。誘客には計画段階からの情報発信が有効だとわかる。

旅行先でしたいことについて、どういった情報を重視するか、コト志向かモノ志向を組み合わせて意識を調査。欧米の旅行者は「海外で話題になっているモノ」、アジアの旅行者は「身近で話題のコト」に注目する傾向。情報発信には国や地域の特性に合わせた発信が求められる。

日本国内での移動・滞在パターンは、首都圏のみを旅する「首都圏滞在型」13・7%、「近畿滞在型」8・1%が上位。タイや台湾の旅行者は北海道、韓国は九州、インドは東北や中部など国籍・地域により特性が出る。中国からはこれまでのゴールデンルートではなく万遍なく各地を訪れている傾向にシフトしている。

旅ナカで必要とされる情報は、旅の序盤には食事場所、日用品を購入する場所、徒歩圏内で行ける場所が上位で、旅先での環境整備が優先。旅の中盤にはスポーツ観戦やイベントへの参加、数時間程度で体験できる現地ツアー、3時間程度以内で行ける場所など短時間での体験に意識が移る。旅の終盤では土産物店や食事場所、飛行機で移動する範囲の情報を探す傾向になるなど旅の途中で意識は変化していく。

持続可能な観光への意識については、旅行先で実践している環境保護活動は「食品ロスの削減」が1位。「スプーン、フォーク、箸など自分で使うカトラリーを持参する」が最もできていない。持続可能な観光のために気をつけたいこととして意識的に実践していることは「歯ブラシ・ブラシ・化粧品はなるべく持参する」がトップ。今後実施意向が高いと考えられるものは「レンタカーはEVやハイブリッドを指定」「二酸化炭素を排出する自動車や飛行機での移動の取りやめ」「環境保全に取り組む宿泊・観光施設を利用するツアーの選択」など。移動手段や宿泊施設、ツアーなどについても今後はさらに環境保護への取り組みが重要になるとJTB総合研究所は指摘している。

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