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余暇市場、20年ぶり70兆円割れ レジャー白書2010

10/09/01

公益財団法人日本生産性本部・余暇創研はこのほど、「レジャー白書2010」をまとめた。それによると09年の余暇市場は前年比4.3%減の69兆5520億円で、1989年以来20年ぶりに70兆円割れになった。前半の新型インフルエンザ流行や消費者の節約志向が響いた。観光・行楽部門は同9.4%減と大きく落ち込んだ。

参加人口は「ドライブ」が初の首位

部門別の市場動向では、不況の影響を受けにくいエンタテイメント系のレジャーは比較的堅調だった。「アバター」の公開で3D映画元年と称されるなど技術革新による新市場の開拓が奏功した。ただ趣味・創作部門全体では前年比4.2%減だった。

スポーツ部門はランニング、スポーツ自転車が好調で同2.4%減にとどまった。娯楽部門は、外食産業が低価格競争で落ち込んだほか、パチンコやゲームなども軒並み低下し同3.4%減になった。

観光・行楽部門のうち、旅行業はネット販売が拡大しているものの店頭販売は苦戦。増加するインバウンドに対しても、日本の旅行会社への恩恵は小さかった。旅館・ホテル市場も宿泊費を抑える傾向が強まり縮小してしまった。

09年の余暇活動参加人口で第1位になったのは、6740万人の「ドライブ」だった。高速道路値下げの恩恵で初の1位。ただし「安・遠・短」の傾向が強まり、支出や宿泊増など市場拡大の効果は乏しかった。

2位は6390万人の「国内観光旅行」、3位は6370万人の「外食(日常的なものは除く)」だった。外食は、長く1位の座を堅持していたが、初めて3位に転落した。

前年より順位を上げたのは、6位(前年9位)の「動物園、植物園、水族館、博物館」と、13位(同17位)の「ピクニック、ハイキング、野外散歩」。手軽な行楽として堅調な人気だ。そのほか「サイクリング・サイクルスポーツ」が950万人から1520万人に参加人口を増やしていることなどが目立つ。

白書では今後、過去に経験した余暇活動を掘り起こす「リバイバル需要」への取り組みを指摘、潜在需要を調べている。それによると、現在1050万人の「海外旅行」には2870万人の潜在需要があるとされ、同様に「オートキャンプ」「登山」など観光・行楽部門で高い値を示している。スポーツ部門では「スキー」が、現在の720万人の参加人口に対して半数を超える440万人の潜在需要を見込む。白書では「眠れる経験へのアプローチ」の必要性を説いている。

調査は今年1月、インターネットで全国15―79歳の男女3110人から回答を得てまとめた。特別レポートとして人口減少、少子高齢化が進展する「2020年の余暇 人口減少社会への挑戦」も掲載している。

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