地域一体で"着地型" 日観協が観光人材の養成研修
10/09/15
日本観光協会と兵庫県・ひょうごツーリズム協会はこのほど、神戸市東灘区の岡本好文園ホールで「地域密着型観光人材養成研修」を開いた。地域に根ざした観光まちづくりの手法を学ぼうと県や県内各市町の観光担当者、観光事業者ら約40人が出席した。
同研修は観光まちづくりの担い手の育成を目的に、全国各地で開催。NPO法人グローバスキャンパス理事長の大社充さんが講師を務め、各地の成功事例を紹介しながら集客や組織、商品開発などを学ぶ。この日の参加者からは「地域密着の手法を学びにきた」という声が多くあがっていた。
今回の大きなテーマの1つが「観光地域づくりプラットフォーム」。観光庁が観光圏事業に続く施策として予定しているもので、着地型旅行商品の販売展開に向けた自治体や観光協会、旅館ホテル、まちづくりNPO、農商工事業者、住民らが参加した地域一体の事業体で、市場と地域を結ぶ一元的な窓口としての機能を担う。観光庁観光地域振興課の羽矢憲史課長補佐が概要を説明し、大社充さんがその事業モデルを紹介した。
大社さんは、地域の発展には「地域の産業と住民が参加する観光まちづくりが求められており、グローバル化に対抗するため"地域循環型経済サイクル"への転換が重要」という。そのために、まちを1つの「集客装置」としてコーディネートするエンジンが観光地域づくりプラットフォームだと説いた。
講義ではそのほか、地域主導型の集客交流サービスの考え方や、商品開発やマーケティングの事例、DMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)モデルの経営手法などを学んだ。
大社さんは「今日お教えした方法論を生かして、自分の地域で自ら考えて実践してください」と呼びかけていた。