「観光立国・日本 京都拠点」 観光庁と京都市が共同PJ
富裕層を中心とした外国人観光客の誘致や受け入れ環境を充実する目的で、観光庁と京都市が共同プロジェクト「観光立国・日本 京都拠点」に取り組む。京都市役所内に拠点事務所を設け、国が目標に掲げる訪日客3千万人の実現に弾みをつける。1月13日には、観光庁の溝畑宏長官と京都市の門川大作市長が京都市役所で調印式を行った。
海外富裕層誘致に照準
観光庁と京都市の共同プロジェクト「観光立国・日本 京都拠点」は、(1)富裕層の誘致(2)受け入れ環境の充実(3)動向調査など、国が掲げる訪日外国人旅行者3千万人の実現に向けた事業に取り組むほか、休暇取得・分散化の促進も盛り込んだ。京都市役所内に拠点を置き、観光庁や近畿運輸局の職員も週2回程度、拠点に駐在する。
富裕層の誘致では、ラグジュアリー層を顧客とする旅行会社や高級ホテルなどが集まる商談会「ILTM Asia」を京都市で開催できるよう、すでに英国に拠点がある主催者に働きかけている。受け入れ環境ではインターネット接続環境の整備などITC化を推進し、訪日外客の利便性を向上させる。
拠点は、当面2年間を活動期間し、2年後に事業の達成度などを検証。継続の是非や第2、第3の拠点整備につなげる。
調印式で溝畑長官は「観光立国の実現に向け、大きな弾みがつく。京都は日本の中でも世界に誇れる資源を持っています。将来、訪日外国人客を3千万人にするためには日本の顔である京都の受け入れ環境整備が重要です」とし、期待感を示した。
門川市長は「日本の心、文化を伝えるために京都の役割は大きく、責任と誇りを感じています。百年に渡り積み重ねてきた京都の観光のノウハウ、観光庁のプロモーションにより、我が国の閉塞感を打破したい。日本の元気は京都からです」と意気込んでいた。
調印の後、2人は市役所玄関に「観光立国・京都拠点」の看板を設置した。