日本観光振興協会、新体制で臨む12年度 公益社団化や需要喚起
日本観光振興協会(日観振、西田厚聰会長=東芝会長)は6月12日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで2012年度総会を開き、(1)11年度事業報告と決算(2)公益社団法人への移行(3)役員改選(4)12年度事業計画と予算を審議、承認した。
役員改選では西田会長が留任、7年務めた吉田正嗣理事長が退任し、後任には見並陽一・JR東日本常務(6月30日で退職予定)が就任した。また、来年4月1日に日観振が社団法人から公益社団法人に移行することに伴う定款変更で従来の専務理事を廃止し、新設する副理事長には齋藤芳夫・日本海事センター常務理事(すでに退職)が就いた。理事数を現行規定の70―80人を22―29人へと大幅に削減する定款変更も行った。
日観振では新体制で臨む12年度事業で、引き続き東日本大震災からの観光復興支援に力を入れる。昨年、震災の影響で中止した旅フェアを11月9―11日に東京・池袋サンシャインシティで開催するほか、11年度から展開している「国内旅行振興キャンペーンポータルサイト がんばろう日本」を継続する。
今年3月から始まっている東北観光博とも連携しながら、国内旅行の需要喚起を図ることにしている。
西田会長はあいさつで、「観光全般は震災の影響からかなり回復してきたものの、地域や業種によっては本格回復に至っていません。東北観光博などをきっかけに1日も早く震災前を上回るまでの回復に努めたい」と震災からの復興支援に意欲を示した。
一方、訪日外客の動向については、最大訪日国の韓国に訪日に対しての風評の影響が強く残っていることを危惧。「あらゆる機会に、世界に向けて正確な情報を発信していく必要がある」と協力を求めた。
日中国交正常化40周年で中国からのインバウンド拡大による観光復興や、改定された観光立国推進基本計画との連携事業にも取り組むとした。
来賓からは井手憲文・観光庁長官があいさつ。震災復興に気を引き締めるとした上で「観光は日本の数少ない成長分野。5カ年計画の実現に向けて取り組みを強めたい」と話した。
日観振は、日本観光協会と日本ツーリズム産業団体連合会が昨年4月1日に統合し発足した。