今夏は国内、海外ともに過去最高の旅行客 JTB旅行動向
JTBがまとめた夏休み(7月15日―8月31日)の旅行動向の見通しによると、1泊以上の旅行に出掛ける人は前年比2.4%増の7703万人で、国内、海外ともに過去最高を記録する見込みだ。震災からの復興とともに消費者の旅行意欲は旺盛なまでに回復。旅への希望は "復興ニッポン"の大きなシンボルとなるか。
国内旅行は同2.3%増の7431万人で現在の調査期間になった2000年以降最高に。海外旅行は昨年も多かったが、今年は同4.6%の272万人で01年の266万人で過去最高が見込まれる好調ぶりだ。
旅行意向を調べたアンケートでは、昨年4月に3分の2を占めた「娯楽を控える意向」が今年は約7割が「あてはまらない」と反転したことからも、旅行・レジャーへの意欲回復が見て取れる。アンケートからは安全・安心への意識の高まり、ロンドン五輪開催でも落ちない旅行消費といった傾向が見られた。
国内旅行の特徴は「長期滞在」「東の巻き返し」。旅行日数は1泊2日が対前年2.7%減の38.4%、2泊3日が同3.4%増の33.0%と接近したことや、4泊5日や5泊6日が増加していることから、昨年、節電で注目された長期滞在が全国的にも認知されだしたといえそうだ。回数も「2回以上」が増加に転じるなど明るい話題は多い。
方面別では、やはりスカイツリーなど新名所の開業相次ぐ東京が人気。復興キャンペーン「東北観光博」展開中の東北は夏祭りや平泉を中心に多くの人出が期待される。さらに避暑地で信州も人気があるなど、総じて東日本が元気。西日本も九州新幹線と魅力的な列車が話題の九州が昨年の開業効果でグッと旅行者の心をつかんだようで、今年も好調の見込み。
海外旅行は、ハワイ、グアム・サイパン、韓国や台湾など近場のアジア方面といった定番に加え、タイが人気。ロンドン五輪ツアーやフランス、イタリアなどヨーロッパも好調だという。
今年の好調さは、昨年震災の影響で減少した座席供給量が大幅に増加したことも寄与。チャーター便商品の増加や円高も旅行者にとってメリットに映る。
調査は全国200地点・1200人のアンケート結果とJTBグループの販売予約状況、航空会社の予約状況から推計した。