観光に新しい風・ご当地アイドル「ロコドル」 大阪ミナミに集結しサミット
各地で続々と誕生しているご当地アイドル(ロコドル)を地域の観光コンテンツとして売り出すイベントが大阪で初めて開かれた。「ロコドルサミット2012」と題し9月16―17日、大阪ミナミでパフォーマンスや観光PRを繰り広げた。
東京・秋葉原を拠点にして一躍トップスターに上り詰めたAKB48がロコドルの走り。サミットにも北は青森県の「りんご娘」、南は宮崎県の「MKM―ZERO」まで全国から14組のロコドルが集結した。ロコドルは女の子グループだけではなく、兵庫県代表として参加した神戸・清盛隊など男性グループも少なくない。中高年の女性ファンが多いそうだ。
会場の湊町リバープレイスには2日間で延べ5千人が来場した。ステージ上で各ロコドルが歌や踊りのパフォーマンスを披露したほか、ご当地の観光PRをブースで直接呼びかけ来場者と触れ合ったりしていた。ロコドルが出場した府県のB級グルメや物産販売のブースも設置し、単にアイドルイベントではなく観光誘致に力点を置いた。
また、来場者の投票やパフォーマンスを審査したコンテストも行い、初代優勝ロコドルには、和歌山初の地域密着型アイドルグループを掲げる「Fun×Fan(ファン・ファン)」が選ばれた。
サミット実行委員会の高垣雅彦さんは「ロコドルファンの皆さんにとってはパフォーマンスだけでない面が新鮮だったようです。来場者からは宮崎県や岡山県へ行ってみたい、ロコドルをご当地で見たいという声もいただきました」とし、旅行を誘発するコンテンツとしてロコドルの可能性に手応えを感じていた。
15日に行われた関係者を集めたシンポジウムでは「育てる」「参加する」という共通点でソーシャルメディアとロコドルの親和性が高いことが紹介され、そのため「韓国、中国、台湾などアジアもターゲットになる」(関西ウォーカーの玉置泰紀編集長)、「ニコニコ動画などで海外に発信すると同時に、着地型観光のコンテンツとして成熟していくためには地域の人が楽しめ愛される存在になることが必須」(日本旅行西日本MICE営業部の関昌博部長)など、ロコドルの将来性が話題に。
コンテンツ産業に詳しい日本総研の東博暢さんは、B級グルメやゆるキャラなどの地域発コンテンツと比べても「人であるからこその可能性は高い」と話す。AKBがブレークしたのは秋葉原と融合したからで「ロコドルもいかに地域とパッケージ化するかがポイント」と指摘する。
今後、日本旅行と近畿日本ツーリストがロコドルの地元を訪ね、ロコドルがもてなすツアーを行う予定。