「このまま鉄旅に出たくなる」は75% 鉄旅オブザイヤー実行委が「鉄道の旅」を調査
鉄旅オブザイヤー実行委員会(田川博己委員長=JTB社長)はこのほど、鉄道の旅に関する様々なテーマの調査を実施した。旅行者、観光関係者双方の「鉄道旅行への思い」やいかに―。
同実行委員会は日本旅行業協会(JATA)と鉄道旅客協会が結成し、JR各社や民営鉄道協会、日本観光振興協会などが後援。鉄道旅行・国内旅行の魅力を伝えようと昨年度から「鉄旅オブザイヤー」の表彰を行っており、1月23日に今年度の表彰が行われた。今回の調査はその記念として実施したもの。
「この1年で初めて降りた駅」について聞いたところ、その理由で一番多かったのは「旅行先として」の60・7%。次いで「休日のレジャーやイベント」の48・7%で、やはりレジャーこそが新しい土地に人を運ぶ最要因となる。
また、この両項目では女性の比率が高いが、男性は「仕事」が46・5%と大きな数値に。「何の理由もなくふと」「景色がきれいだったから」も10%前後いた。さらに「通勤通学中の電車でふと『このまま鉄旅に出たくなる一瞬』がある」という質問に対しては75%があると回答。これらを考えると鉄道に乗ること自体が旅へ直結するという見方もできそうだ。
「鉄道で行けばよかったと思う瞬間」の1位は車の渋滞が53・8%で突出。少数派意見では「お酒を飲みたいとき」「景色の綺麗な場所を通るとき」といった鉄道ならではの楽しみを欲する声が挙がった。
また、旅行会社や鉄道会社、自治体の観光課、観光協会など観光関係者90人にも「鉄旅」についての意識を調査した。
「自分が鉄旅する時に駅や車内で"実は"やってみたいこと」では「温泉に浸かって移動できる旅館のような大浴場のある列車の旅がしてみたい」(旅行会社勤務)という憧れや、「白スーツに赤腕章(専務車掌)での車掌体験」「貸切列車内での落語、漫才」(いずれも旅行会社勤務)といった商品化できそうな提案もあった。
「楽しめる鉄旅でおすすめの駅舎」は、「存在感の大きさ」「最近の駅ビルにない趣き」からJR鹿児島本線・門司港駅、「遺構発見以降駅舎が巨大な土偶そのまま」のJR五能線・木造駅、「国際観光地の駅舎らしく時代を感じさせる風情」のJR日光線・日光駅に複数の票が集まった。
消費者への調査は12月19―20日にインターネットで実施。20―80歳代の1196人が回答した。