訪日客拡大へ 観光庁、14年度概算要求は19%増114億円
2014年度の観光庁関係予算の概算要求は114億4100万円で、前年度比119%に上った。「訪日外国人旅行者数2千万人の高みを目指す新たなスタート年」と位置づけ、予算案に反映させた。
インバウンド関連予算は117%の95億9800万円。今年7月からビザが緩和され、経済成長に伴う旅行需要の拡大が著しい東南アジアへの集中プロモーションの実施などを盛り込んだ「戦略訪日拡大プランの推進」を新たに設け、20億600万円を計上。
また「訪日旅行推進事業(ビジット・ジャパン事業)」は91%の51億5300万円を要求した。現地消費者へ直接情報発信してきた韓国、台湾、中国、米国、香港の5市場にシンガポール、タイ、マレーシアを追加する。首都圏空港の発着枠拡大に連動するほか外国船社のクルーズ船寄港の増大に対応したプロモーションを展開する。富裕層市場、ムスリム旅行者の受入環境整備なども盛り込んだ。
ビジット・ジャパン事業には「宿泊施設の情報提供促進事業」1200万円を新設した。訪日外国人向けの情報発信についてガイドラインを策定する。継続事業の「通訳ガイド制度の充実・強化」は81%の2千万円、「国際会議など(MICE)の誘致・開催の促進」は122%の4億9500万円、「日本政府観光局(JNTO)運営費交付金」は104%の19億1100万円とした。
観光地域づくり支援事業には193%の10億5100万円を要求した。新設の「観光地ビジネス創出の総合支援」は6億円。これは、地域の観光資源を発掘し磨き上げ、旅行商品化を促そうというもの。並行して人材を育成し自立的な観光地づくりを推進する地域を支援する。観光圏を想定した「観光地域ブランド確立支援事業」は81%の2億7900万円の予算を立てた。「地域観光環境改善事業」には86%の8500万円を求めた。
旅行振興に関しては、旅行会社に安全対策を求める「旅行の安全の確保・向上方策検討調査」に101%の2500万円、「ユニバーサルツーリズム促進事業」は103%の4千万円とした。
「観光統計の整備」は84%の4億3300万円。経常事務費などが103%の114億4100万円。
東北地域を対象とした復興枠では「東北地域観光復興対策事業」と「福島県における観光関連復興支援事業」を合わせて155%の8億9500万円とした。