都市住民の6人に1人が農山漁村で交流体験 首都圏と阪神圏を調査
都市圏に住む人の6人に1人がこの1年間で農山漁村を訪ね、野菜の収穫や直売所で産品を購入するなどの交流体験をしていることがわかった。特に30代女性の体験値が高く、都市農村交流の市場規模は首都圏、阪神圏を合わせて年間で450億円以上と推計される。
農山漁村体験やボランティア活動など都市住民と農山漁村の交流による地域活性化を目指すふるさとふれあいプロジェクト実行委員会が首都圏、阪神圏に住む20-60代の男女2千人を対象に昨秋調査した。調査では、都市農村交流を「自然豊かな地域に出かけ、その地域で様々な体験や地域の人々とのふれあいを楽しむ余暇活動」とし、この1年間の体験回数や内容、利用金額などを尋ねた。
それによると全体の16.9%、6人に1人がこの1年に交流体験をしていた。回数では1回が38.5%でもっとも多く、平均は2.79回だった。エリア別では阪神圏が平均3.04回、首都圏が平均2.45回で、阪神圏では年6回以上の人が1割近かった。男女比では、継続して体験者で男性12.5%より女性14.9%の割合が高く、特に30代女性は18.5%ともっとも多かった。
体験内容では「直売所や道の駅で産品購入」44.4%、「果物の栽培体験や収穫」37.3%、「地域の祭りやイベント参加」23.1%がトップ3だった。その際、1回当たりに使った金額の平均は4032円。阪神圏は3722円、首都圏は4439円だった。ただ年間の合計金額では阪神圏が1万2509円で首都圏を3千円ほど上回った。
同実行委員会では今回の調査をもとに市場規模を首都圏265億円、阪神圏186億円とし、2大都市圏だけでも461億円と推計した。今後、20-30代女性の顧客化やターゲットに応じた多様な商品づくりを行うことで、体験意向者数などを踏まえ算出すると1037億円への市場規模拡大を見通す。