余暇市場11年ぶりに増加 テーマパークなど国内旅行好調
日本生産本部は8月4日、2013年の余暇の市場や動向をまとめた「レジャー白書2014」を発行した。それによると13年の余暇市場は11年ぶりに前年を上回った。遊園地・テーマパークが過去最高の売り上げだったことや、国内旅行の好調など観光・行楽部門が寄与した。
13年の余暇市場は前年比0.8%増の65兆2160億円となり、02年以来11年ぶりのプラスとなった。しかし、市場規模はピークだった96年の90兆9070億円から3割程度縮小している。
白書では余暇をスポーツ、趣味・創作、娯楽、観光・行楽の4つの部門に分類している。このうち観光・行楽部門は2年連続となる4%台の高い伸び率で余暇市場をけん引した。
なかでも遊園地・テーマパークは前年を10.5%上回り過去最高の7240億円となった。開業30周年の東京ディズニーリゾートが両施設を合わせた入園者数が初めて3千万人を突破したほか、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも01年のオープンの年以来の1千万人台の入場者数を記録した。
おおむね好調の観光関連市場にあって白書では特に乗り物人気に焦点を当てている。13年、初めて1千万人を突破した訪日外国人旅行者数。円安の定着やビザ発給の緩和などとともにLCCの路線拡大が寄与したとしている。国内航空市場は5.8%増の4200億円。
また、クルーズについては国内、外航クルーズともに利用者が大幅に増加した。外国船のショートクルーズやワンナイト国内クルーズなど、多様化するクルーズ商品が人気獲得につながっている。
13年は鉄道が話題となった年でもあった。JR九州が運行を開始した豪華クルーズ列車「ななつ星in九州」が話題となったが、これによる収入増は2億円とされ、白書では観光列車需要への波及効果は5億円と見積もっている。JR各社も、相次いで豪華列車を走らせる方針を打ち出している。
旅行業の手数料収入は2.1%増の6910億円。好況感の高まりや海外旅行者数の減少、高齢者の旅行回数の増加や首都圏への個人旅行が好調だったことなどがプラスにつながった。
宿泊市場はホテルが10.5%増の1兆820億円と二桁増で好調。施設数・客室数とも横ばいながら、ホテル再生ビジネスが盛んで、経営能力のある企業がよい物件を継承しリニューアルオープンしていることなども好調の要因として挙げている。
一方で旅館は0.3%減の1兆3950億円。ほぼ横ばいながら、国内観光・行楽部門で9分類されている鉄道、貸し切りバス、国内航空、遊園地・レジャーランド、旅館、ホテル、ペンション・民宿、会員制リゾートクラブのなかで、唯一前年割れという結果だった。