観光3団体、日中観光文化交流団を結成 5月に3千人規模で訪中(1)
観光交流を冷え込んだ日中関係を打開するきっかけにしようと、全国旅行業協会(ANTA)など国内観光3団体が、5月に3千人規模の観光文化交流団を組織し、中国を訪問する。2月25日、東京・霞が関でANTAの二階俊博会長(衆議院議員)らが会見を開き発表した。
訪中事業を実施するのはANTA、日本旅行業協会(JATA)、日本観光振興協会(日観協)の3団体。訪中団への参加を広く観光関係者に呼びかけるほか、旅行商品をつくり一般旅行者のツアー参加を募ることにしている。観光庁などが後援する。
会見には二階会長、JATAの田川博己会長、日観協の山口範雄会長、観光庁の久保成人長官、日本政府観光局の松山良一理事長のほか、中国駐日大使館の趙偉参事官、中国国家旅遊局日本代表処の張西龍主席代表が出席した。
会見で二階会長は「訪中団に中国も協力姿勢であり、期待に応えたい。民間で3千人が訪中すれば各界に影響を与え、そうした流れができ、凍りついた日中関係打開の一助になると確信しています」と意義を強調した。
田川会長は日中観光交流の現状について、春節もあり中国人旅行者の存在感が大きくなっている一方で、日本から中国への旅行者は年間400万人に手が届きそうだった2007年のピーク時に比べ、100万人以上減少していることを説明。「早期に300万人を回復することが重要。今回の訪中イベントを旅行商品化し、販売したい。3千人を集めきることが、300万人復活につながるという覚悟で取り組む」と意欲を見せた。
一方で、100万人減少していることについて「政治的な問題はありますが、ツーリズムとして中国旅行を見極める必要があります」とも話した。「中国旅行はすでに一巡したとの見方もあり、従来型の周遊観光ではなく、都市観光や地方都市観光が売れるのか、欧米型の旅行が中国に現れるのか」と中国観光の変化に関心を寄せた。
山口会長は「日中両国の地方間の交流促進を考えたい。日本の各地に中国人旅行者を誘致し、地方再生につなげたい」と話し、幅広い団体に訪中団への参加を要請するとした。
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