宿泊者減も旅行費用大幅アップ じゃらん宿泊旅行調査
じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、「じゃらん宿泊旅行調査2015」の結果を発表した。2014年度(14年4月―15年3月)の宿泊旅行実施率は前年度比0.6%減の56.9%。延べ宿泊旅行者数も同3.1%減の1億5110万人と前年度を割り込んだが、宿泊旅行費用総額が大幅な伸びを記録し、市場規模自体は拡大した形になった。
実施率減に加え、旅行実施者の年間平均旅行回数も同0.05回減となったことが、延べ宿泊旅行者数の減少につながった。延べ宿泊旅行者数は10年度以降では13年度の1億5599億人に次ぐ2番目に多い数字だが、性・年代別にみると20―34歳男性が同1.1%増となった以外は、すべての層で下落するなど市場全体が今ひとつふるわなかった感がある。
一方で宿泊旅行費用総額は同2.0%増の7兆4600億円となり、10年度以降では最大の額を記録。3年連続の上昇となり、市場規模は拡大を続けている。大人1人の旅行1回あたりの平均費用が4万9200円で前年より2400円の大幅増となったことが要因。内訳は宿泊費が28.3%、交通費が27.9%、現地小遣いが33.3%、パック旅行費が10.4%。
旅行手配は個人旅行が88.9%、パック旅行が11.1%。直近5年間で大きな変化はなく、ほぼ固定化されている。
同行者は「夫婦2人」の24.5%がトップで、減少傾向にあった「小学生以下の子連れ家族」「職場・サークルなどの団体」がそれぞれ11.9%、13.9%となり、減少傾向に歯止め。注目は「一人旅」で男性を中心に年々拡大を続けている。特に20―34歳男性は04年度が14.9%だったのが、14年度には26.9%までにアップ。大きな市場となってきた。
都道府県別の延べ宿泊旅行者数は、1位東京都が微減の1702万人、2位北海道が微増の1064万人とトップ2はほぼ前年並み。3位静岡県、4位神奈川県、5位大阪府、6位長野県、8位千葉県は軒並み旅行者数が減少した。7位京都府、9位福岡県、10位沖縄県は前年より増加。
宿泊者増加率1位は福井県で27.2%増。舞鶴若狭道全線開通などで関西方面を中心に人気を集めた。2位は高知県で20.0%増、3位は富岡製糸場世界遺産登録効果の群馬県が18.1%。
調査は4月に2回実施。2次調査の有効回答数は1万5474件。