宿泊旅行市場は拡大 じゃらんRC調査、人数減も延べ宿泊数・費用が増加
リクルートライフスタイル・じゃらんリサーチセンター(沢登次彦センター長)はこのほど、「じゃらん宿泊旅行調査2016」を発表した。2015年度(15年4月―16年3月)に宿泊旅行を行った人の割合を示す宿泊旅行実施率は前年度比0.5ポイント減の56.4%で東日本大震災後の12年度に次ぎ過去12回の調査の中で2番目の低さ。一方で、平均旅行回数や平均宿泊日数が伸びたことで延べ宿泊数は同5.9%増の2億6903万人泊、宿泊旅行費用総額も同4.4%増の7兆7891億円と前年を上回り、市場規模自体は拡大した形になった。
旅行実施者の年間平均旅行回数は同0.07回増、宿泊旅行1回あたりの平均宿泊数は0.07泊増となり、延べ宿泊旅行者数は同1.3%増の1億5313万人回に。性・年代別にみると35歳以上の男女は延べ宿泊旅行者数が前年を上回ったが、20―34歳は男女とも低下。特に女性が同3.8%減と低下が顕著で、若者の旅への意欲低下問題が再燃してきた。
宿泊旅行費用総額の伸びは、大人1人の旅行1回あたりの宿泊旅行費用が同3.3%増の5万800円と増加したことが要因。総額の上昇は4年連続。個人旅行における1人あたり費用の内訳は宿泊費、交通費、現地小遣いのいずれも上昇した反面、パック旅行費は現地小遣いが減少し総額が若干低下した。旅行手配は個人旅行89.5%、パック旅行10.5%。その差は年々拡大している。
同行者は「夫婦2人」の25.3%がトップ。2位の「一人旅」は11年連続の上昇となる17.5%。特に20―34歳男性の伸びが顕著だ。
都道府県別の延べ宿泊旅行者数は1位東京都が1675万人、2位北海道が1069万人とトップ2はほぼ前年並み。3位長野県、4位大阪府、5位静岡県、6位神奈川県、7位京都府、8位千葉県で、若干の変動はあるものの例年同様の顔ぶれだが、9位に大きく数字を伸ばした兵庫県が入った。10位は福岡県。
増加率1位は富山県で25.4%増。9位に石川県が入り、昨年来市場を席捲している北陸新幹線開通効果がここでも現れた。2位は岡山県で21.4%増、3位は宮城県で16.8%増。