日本初、定休日のある町並み 近畿まちアド会議、富田林市に提言書を交付
近畿観光まちづくりアドバイザリー会議(吉兼秀夫座長=阪南大学観光学部教授)が2016年度の重点支援地域に選んでいた大阪府富田林市に観光まちづくりへの提言書を交付した。4月28日、近畿運輸局観光部の福西謙部長から、富田林市の竹綱啓一副市長に手渡された。
同会議は、国土交通省近畿運輸局と近畿整備局が事務局を務め旅行会社や鉄道会社、観光関連団体など13人の委員で構成。06年度から、近畿2府4県各地でマーケティングの視点から観光まちづくりへの方策を提言している。
16年度重点支援地域の富田林市は大阪南東部の南河内エリアに位置し、大阪の中心部から電車で約30分のベッドタウンとして発展してきた。しかし、近年は定住人口の減少傾向がみられるようになり、大阪府下で唯一の伝統的建造物群保存地区に指定されている寺内町(じないまち)や農業公園サバーファームなどの資源を生かし、交流人口の増加による地域の活力維持を模索していた。
昨年10月に委員が富田林市内を視察し、現地関係者と意見交換を行ったほか、複数回の会議を実施し富田林市の観光まちづくりの方策をまとめていった。
提言書は、寺内町をフックに富田林市の観光を発信するよう促し、まちに暮らす住民が無理なく観光まちづくりが進められるよう住環境と観光の両立を「日本初、定休日のある町並み」として提案。住民と観光客、市内の資源を連携、融合させ「あいさつから始める観光まちづくり」などと呼びかけた。
竹綱副市長は「人口減少に歯止めをかけ、賑わいのまちづくりをしていくことが喫緊の課題です。まずは全庁一丸となって、この指針を踏まえて取り組んでいきたい」と観光まちづくりへの決意を示した。
福西部長は「我々も提言書で終わりだと思っていない。今後も富田林、南河内全体が良くなるよう支援したい」とエールを送った。