「旅の駅」ブランド化図る 日本観光施設協会、新会長に中村さん(喜撰茶屋)
全国のドライブインや観光センターなどが加盟する日本観光施設協会(176会員)はこのほど、東京・浜松町のチサンホテル浜松町で2018年度総会を開き(1)17年度事業報告と決算(2)役員改選(3)18年度事業計画と予算―を審議、承認した。役員改選では、西山健司会長(岡山県・西の屋グループ)が退任し、中村健治副会長(京都府宇治市・喜撰茶屋)が新会長に就任した。
4期8年務めた西山会長は退任のあいさつで「時代が急速に変化するなか、家族や個人客、急増する外国人観光客にどのようなニーズがあるのか、考えていく必要があります。国策である道の駅の進出もあり、民間のドライブインは最盛期の1200件から800件程度に減少しています。ただ、我々には長きにわたり昼の国内観光を担ってきた自負があり、地域と関わり、必要とされながらやってきた自信もあります。行政にも、こうした点についての認識を深めていただき、当協会が展開している『旅の駅』の推進についても、今後もしっかり話を続けてもらいたい」と、会の発展を新会長のリーダーシップに託した。
中村新会長は冒頭「大役を仰せつかり、会員各位の絶大な協力をお願いします」とした上で、協会ホームページのリニューアルなどに意欲を示した。「高速道路のサービスエリアや道の駅のことはメディアに取り上げられているのに比べ、我々はPRに苦戦しており、これを一番のテーマに取り組んでいきたい。まずは旅行者が立ち寄りたくなる協会ホームページをつくりたい」と抱負を述べた。
また、来賓の秋元司国土交通副大臣は「道の駅が民業を圧迫しているという声は承知しています。ただ、地域の活性化という視点で国が民間を支援できることもあります。DMOで使える財源も用意している。外国人旅行者が増えるなか、皆さんには旅行のパイオニアとして客は日本人だけじゃないと発想を転換してほしい。忍者ショーでもけっこう。施設でショーやイベントを行い、外国人旅行者を呼び込んでほしい」と期待した。
18年度事業では、旅の駅のブランド化を推進し、道の駅との差別化を図るほか、協会ホームページのリニューアルに取り組むことにしている。
同協会は13年8月に旧日本ドライブイン協会から、日本観光施設協会に改称した。