新たに二次交通専門部会を設置 観光立国推進協議会、DMOづくり支援事業など報告
産業界や地方自治体など120を超える企業・団体で組織する観光立国推進協議会(山西健一郎委員長=日本観光振興協会会長)は1月18日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで全体会議を開き、観光庁から2019年度の観光関係予算の全体説明を受けた後、18年度事業や19年度事業計画について報告した。
18年度はDMO専門部会、観光教育専門部会の2つの専門部会を中心に事業を行った。このうちDMO関連では全国のDMOへのアンケートの取りまとめや、アンケートなどを基に新潟県観光協会、石川県観光連盟、草津温泉観光協会、高千穂町観光協会の4団体に対し、DMOづくりの支援事業など行った。
19年度事業では新たに3つ目の専門部会として二次交通専門部会を新設するほか、食文化ツーリズムの普及にも取り組む。観光教育専門部会で小学4年生から中学生までを対象に作成した「観光教育副教材」を配布するのをはじめ、副教材を使った出前授業を行うことにしている。
同協議会は、オールジャパンで観光立国を目指す体制づくりとして、14年1月に日本観光振興協会の旗振りで、産業界や地方自治体を主なメンバーとして発足した。観光関係団体や観光関連企業に加え小売業や金融機関、クレジットカード会社のトップ、IT関連企業、地方自治体の首長や広域観光連携協議会など122の企業・団体が参加している。
毎年この時期に全体会議を行っており、昨年日本観光振興協会会長に就任し、同協議会委員長として初めて全体会議の進行役を務めた山西委員長は「(多発する自然災害などの)逆境のなか、18年は訪日旅行者が3119万人、消費額が4.5兆円となりました。海外旅行者も過去最高となり、オールジャパンでの観光振興への取り組みの成果が出ています。官民の連携で20年の4000万人実現、さらには観光先進国実現に努力を重ねたい」と抱負を述べた。
また、来賓の田端浩観光庁長官は、20年の目標の特に旅行消費額8兆円に対して「道半ばであり、さらなるインバウンドの加速、地方への誘客、滞在時間を伸ばすことを課題として取り組みたい」と話した。
全体会議後には、観光関連団体などが主催する恒例の「新年交流会」が開かれ、出席した菅義偉内閣官房長官は「安倍政権では観光振興を国の成長戦略の柱、地方創生の切り札と位置づけ、政府一丸で取り組んでいます。20年の4千万人が射程に入ってきました。さらに推し進めるため国際観光旅客税を新設しました。これを観光、文化、環境の分野に使わせていただき、世界一の観光立国になるよう、しっかり応援させていただきます」と話した。
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