20年度の日本観光を展望(1) 観光立国推進協議会が全体会議
産業界や地方自治体など123の企業・団体で組織する観光立国推進協議会(山西健一郎委員長=日本観光振興協会会長)は1月21日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで全体会議を開いた。観光関連団体のトップが一堂に会し、今年の観光動向を展望した。観光庁から2020年度の観光関係予算の全体説明を受けたあと、19年度事業や20年度事業計画についても報告した。
山西委員長は、昨年の台風被害について「観光による復興に力を入れる」とした上で「今年は2020東京オリンピック・パラリンピックの年。東京だけでなく、地方都市に波及効果が出るようがんばりたい。異業種が連携して活動を進めたい」と抱負を述べた。
来賓の田端浩観光庁長官は「今年は目標であるインバウンド4千万人の節目の年。あらゆる手段、地域の取り組みを結集し、目標達成を目指す」と、白旗宣言は封印し前を向いてみせた。
一方、2千万人を超えたアウトバウンドについては「目標の1年前倒しで実現できた。さらに若者の海外旅行や、海外修学旅行の促進を官民連携で図っていく」と、青少年交流の場を増やすことに意欲を示した。
協議会では19年度、子どもたちへの観光教育、二次交通の課題解決、「心のバリアフリー」について、専門部会を中心に調査、検討、普及活動を行ってきた。20年度もこれら事業を継続するほか、国の21年度観光予算に対して要望書が出せるよう準備を進めることを確認した。観光庁に対しては観光施策についての提言を継続して行っている。
同協議会は、オールジャパンで観光立国を目指す体制づくりとして幅広い産業や地方自治体を主なメンバーとして発足した。観光関係団体や観光関連企業に加え、小売業や金融機関、クレジットカード会社のトップ、IT関連企業、地方自治体の首長や広域観光連携協議会など123の企業・団体が参加している。
(次の記事)20年度の日本観光を展望(2) トップらの声に聞く現況と課題