観光需要回復へ「かつてない規模」の施策展開 観光庁補正予算、各省連携「Go To」CPで賑わい取り戻す
政府は4月7日、2020年度補正予算を閣議決定。観光庁は経済産業省などと連携して需要喚起に向けたキャンペーンを展開するなど、新型コロナウイルス収束後の観光需要・消費回復へ向けた施策を盛り込んだ。
観光庁の補正予算による施策と予算は、(1)国内に向けた観光需要喚起策に1兆6794億円(2)誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成に102億円(3)訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業に52億円(4)訪日外国人旅行客の需要回復のためのプロモーションに96億円―を計上。①については、経済産業省に計上され、観光庁としては総額250億円となる。
(1) 国内に向けた観光需要喚起策では、コロナ収束の時期を見極めながら、観光需要を喚起、観光地の消費促進を促す。これまでも災害発生時は「ふっこう割」などで観光復興を図ってきたが、今回の旅行商品割引への施策は「かつてない規模」と打ち出した。
主体事業は「Go To キャンペーン」の展開。観光業に加え飲食業、イベント業なども含めコロナ流行で打撃を受けた業種を支援、国内に賑わいと地域活性化を官民一体で図るもので、経産省と国土交通省、農林水産省、内閣官房が連携して期間を限定して行う。
キャンペーンは主に4事業からなる。「Go To Travel キャンペーン」は、旅行会社を通して期間中の旅行商品を購入すると、宿泊や地域での買い物や飲食、施設利用などに使えるクーポンを旅行代金の2分の1相当を付与する。1泊あたり1人2万円分が上限。
そのほか飲食店利用でポイントや2割相当の割引食事券などを付与する「Go To Eat キャンペーン」、イベントのチケット購入で2割相当の割引・クーポンなどを付与する「Go To Event キャンペーン」、商店街でのイベント開催やプロモーション、観光商品の開発を実施する「Go To 商店街 キャンペーン」なども盛り込まれた。
(2)誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成は、落ち込んだ地域観光の“反転攻勢”へ向け、地域のイベントの集客力向上や地域資源の磨き上げを外部の専門家と連携して取り組み、地域の高付加価値化や誘客の多角化を図る。
(3)訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策は、引き続き観光施設の感染症対策を進めるのに加え、訪日外国人客受入強化に向けたコンテンツ造成、環境整備に取り組む。
(4)訪日外国人旅行客の需要回復のためのプロモーションは、コロナ収束の時期を見定めながら、海外からの誘客再開時期を判断。誘客可能と判断した国に対して速やかにプロモーションを展開する。国際線の航空便再開や、国内旅行キャンペーンで活気が戻った日本各地の状況を伝え、訪日への不安払しょくを図る。