コロナ対応と観光再開への取り組みは 日観振、観光協会ら対象に現状調査
日本観光振興協会は6月19日、全国の観光協会やDMOを対象に新型コロナウイルスへの対応についての現状調査の結果をまとめた。ウィズコロナ下での観光再開に生かしてもらうため優れた取り組みを共有するほか、今後できうる支援の検討についても生かしていく。
会員の事業継続のために会員向け、地域住民向けに行っていることは、「飲食店テイクアウト・デリバリーの支援」がほぼ過半数の49%でトップ。「特産品販売の支援」も34%で、まずは収益の確保が先決との考えで動いているようだ。
では、会員の経営状況悪化や地域住民の不安を考慮すると、国内観光客の受入再開はいつごろと考えているか。県内客の受入再開は、88%が「6月以降」としたが、県外客の受入再開は「6月以降」が41%、「8月以降」が35%と慎重な姿勢に。遠方の県外客や首都圏・京阪神エリアからは、さらに「8月以降」の割合が増え、調査時点では再開は時期尚早とのムードが色濃い。
全国レベルでの観光交流再開には、受入地域側としてどのような条件環境が必要かという問いには、「衛生管理の徹底」が46%、次いで「地域住民の理解」が19%。外部要因ではなく、地元での工夫が必要という意識がすでに根付いている。
国内観光の再開に向けて準備していることは、約3割が「地域の振興計画、自組織の事業計画等の見直し」「国や都道府県等が募集する補助事業等への申請準備」に取り組んでいる。全体の7割強が「クーポン券やキャンペーン等、需要回復のための施策」へ準備している。
一方で、観光再開に必要と半数が回答していた「衛生管理の徹底」は1割程度に。今後の取り組み強化が早急に求められている。
「地域住民向け観光再開に向けた理解促進」について「取り組んでいる」「準備中」は、団体種別では地域DMOが4割でトップだった。
調査は5月19―26日、インターネットで実施。全国の観光連盟や観光協会、DMOなど157組織が回答した。