宿泊、旅行業に改善の兆し―予約徐々に戻る 国交省、9月末時点の新型コロナ影響調査
国土交通省は、9月末時点での新型コロナウイルスによる各業界への影響調査の結果をまとめた。宿泊では予約が前年同月比70%以上減となった施設は8月の26%から13%まで減少。旅行業は国内旅行予約が同62―63%減、10、11月はGo Toトラベル東京解禁の効果で増加するなど、依然として厳しい状態ながらも一定の改善がみられている。
9月の宿泊予約は同70%減が13%のほか、50―70%程度減少と30―50%程度減少がいずれも20%と、減少幅の大きさは続くが、8月より改善。30%減以下にとどまっていた施設は8月までは2割程度だったが、9月は過半数近くまで戻ってきた。売上もほぼ同様の傾向。
政府による支援の活用状況は、融資や持続化給付金など資金繰り支援は現時点で81%の施設が活用、74%が給付済み。雇用調整助成金は78%が申請、63%に給付されている。
旅行業では、9月の国内旅行の予約人員は大手が同62%減。10、11月は同50%の見込み。中小旅行会社も同63%減まで戻ってきたが、8月の69%減からはやや改善された程度にとどまった。10、11月も9月と同程度の見込みで、中小にいたっては大手ほどGo Toトラベル東京解禁の効果は今のところみられない。海外、訪日旅行はほとんど取り扱いがない状況が続く。
支援制度については、資金繰り支援、雇用調整助成金をそれぞれ79%、74%が給付済みとなっている。
貸切バスは、9月は運送収入が同70%以上減の事業者が8月の84%から48%まで減少。車両の実働率は8月の11%から22%と徐々に改善されているが、10月も23%が70%以上の運送収入の減少を見込むなど、なかなか先を見通せない状態だ。
支援制度は、資金繰り支援を95%、雇用調整助成金を96%が活用している。