観光資源化と保全の好循環を 環境省、「国立公園満喫プロジェクト」パートナー企業と意見交換会
環境省はこのほど、国立公園を訪日客らへの観光資源として磨き上げる「国立公園満喫プロジェクト」について、連携する旅行会社や交通事業者をはじめオフィシャルパートナー企業との意見交換会をオンラインで実施した。第1回となる今回は事例発表やグループトークで現状や課題を共有、今後の展開について意見を交わした。
同省自然環境局国立公園利用推進室の中島尚子室長はあいさつで、4年間の取り組みを振り返りながら、現在87あるパートナー企業が2020年末には100社となる見込みを報告。「新型コロナの感染拡大で大きな状況の変化があったが、こういった中でこそ国立公園としての自然環境の魅力などがあらためて見直される時代になったと考えている。意見交換会を収束後の体制の整備や観光資源の磨き上げなど連携の推進につなげたい」と話した。
事例発表では総合サービスから北海道・大雪山国立公園での携帯トイレの普及活動、東武鉄道から栃木県・日光地域での環境配慮型・観光MaaSの導入、ワンダートランク・アンド・カンパニーから大山隠岐国立公園・島根県三瓶山でのグランピングの取り組みについて報告された。
グループトークは5つのテーマに分かれ、事例や課題など意見を交換した。「環境保全活動の商品化」では、携帯トイレの普及や国立公園で見られる野生動物の観光活用が議題に。「上質な滞在スタイルの創出」については宿泊や体験型施設をつなげる交通網も整備の必要性と課題、「キャンプ場の改善、グランピングの導入」はハードとソフト面で静寂や絶景を楽しめる環境整備の必要性、「ワーケーションの利用促進」では首都圏からの距離に応じたターゲット層へのアプローチと相性についてなどについて議論された。