ウイズコロナの観光業 中小企業等事業再構築促進事業、新分野展開などを補助
コロナ禍で激変した経営環境に対応する企業を支援しようと国が新設した「中小企業等事業再構築促進事業」。総額1兆円超の大型支援策で、ウィズ・アフターコロナ期の事業展開をにらむ企業から注目を集める。なかでもコロナの打撃を真正面から受けている観光業こそ“再構築”を求められる。申請受付は4月15日から始まる予定だ。
事業再構築補助金は、中小企業に加え、資本金10億円未満の中堅企業も対象なのが特徴のひとつ。直近6カ月間のうち任意の3カ月の合計売上高がコロナ以前の同3カ月比で10%以上減少▽事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し事業再構築に取り組む▽補助事業終了後3−5年で付加価値額の年率平均か従業員一人あたり付加価値額の年率平均が3・0%以上増加を達成−を条件に、通常100万−6千万円、最大で1億円を補助する。大型金額のため建物などハード面も補助対象となることも注目を集める一因だ。
事業再構築補助金の分野は、指針に▽新分野展開▽事業転換▽業種転換▽業態転換▽事業再編−の5種が挙げられており、経済産業省が資料で示している事例から、観光業に当てはめてみる。
例えば旅行会社なら、オンラインツアーの実施などDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進展させる。旅館ホテルではワーケーションやグランピングの設備および施設を導入・新設する。観光施設ではバーチャルミュージアムを始める。ドライブインでは、地域の特産や土産を宅配するサービスを始める。観光バスやタクシーなどは、新たに一般貨物自動車運送事業の許可を取得し物流事業に進出することも考えられる。
経営立て直しの好機と捉え、これまで蓄えた実績やノウハウを生かせるよう熟慮したい。詳細はhttps://jigyou-saikouchiku.jp/。