宿泊予約サイトの不振、お出かけ情報系が躍進 日観振が21年観光系サイト分析、コロナ禍下のニーズ浮き彫りに
日本観光振興協会は2月3日、2021年の観光関連ウェブサイトの年間閲覧者数を調査、結果をランキング形式で発表した。宿泊予約サイトが低迷するなか、近場の「お出かけ情報」系サイトが躍進。「本格的な旅行は慎重だけど、近隣へちょっと出かける」といういまだ続くコロナ禍のユーザー心理を反映した結果になった。
調査はネット行動分析を行うヴァリューズと共同で実施。同社のサービスを使用し、閲覧者数はPC・スマートフォンからのアクセス集計などを基に、国内のネット人口に則して20歳以上の動向を推測し算出した。
旅行会社やネットエージェント、旅行情報など「旅行・交通」分野では、PCからはじゃらんnetが閲覧者数2780万人でトップ。2位の楽天トラベルとのトップ2は昨年同様だったが、閲覧者数は微減となった。3位にはJR東日本が1つ順位を上げたが、前年上位だったトリップアドバイザーとYahoo!トラベルはそれぞれ8、9位へと下落。閲覧者数を2―3割減らし、コロナ禍の影響を感じさせる結果になった。
一方で、7位「aumo」は閲覧者数が前年比56・6%増、12位「リトリップ」が同36・6%増となるなどお出かけ情報サイトが躍進。観光に加え生活に身近な情報を求める消費者の傾向が浮き彫りになった。
スマートフォンの上位は、じゃらん、楽天、JR東日本、ANA、Yahoo!、aumoの順。
「都道府県公式観光情報」分野は、PC・スマートフォンともに上から大阪府「OSAKA―INFO」、三重県「観光三重」のトップ2が変わらない人気ぶり。3位には山梨県「富士の国やまなし観光ネット」が入ったほか、4位の新潟県「にいがた観光ナビ」、5位の岡山県「岡山観光WEB」の伸びが目立った。前年3位だった沖縄県「おきなわ物語」が11位になるなど修学旅行先などのサイトは数字を落とした。
検索キーワード分析では、コロナ関連が上位を占めた前年と一変。「モデルコース」「観光マップ」「穴場」などのキーワードが上位に入り、事前の情報収集で効率のいい観光を求めるニーズが高まっているようだ。
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