国内宿泊旅行への参加率3割弱と伸び悩むも参加希望率はやや上昇 日観振、コロナ禍下での旅行動向を調査
日本観光振興協会(山西健一郎会長)は7月1日、過去1年間(2021年4月―22年3月)の宿泊旅行についての「観光の実態と志向」調査の今年度版の結果(速報)を発表した。今年もコロナ禍下での旅行への意識と実態を調査。国内宿泊旅行への参加率は3割弱で前年同様低迷が続く。ただ、参加希望率は6割弱で前年から上昇するなど明るい兆しも見えてきた。
国内宿泊旅行の参加率は28・6%で、前年度を0・6%下回り、コロナ前が50%前後で推移していたことを考えると厳しい状態が続いている。性・年代別では男性が30、40代を除く年代で減少したが、女性は15―19歳の若年層を中止に増加している。
国内宿泊旅行の今後1年間の参加希望率は58・7%で、過去最低となった前回から4・4%増加。コロナ前は70%前後だったことを考えるとまだ回復していないが、ようやく旅行への意欲が高まってきたようだ。
宿泊旅行参加者の旅行に関する割引キャンペーンの利用状況は、「利用していない」が65・4%で最多。Go Toトラベル事業が実施されなかったことが要因だが、今後の利用希望は「コロナ収束まで旅行予定・意向はない」が前回より8・0%低い42・9%となり、旅行意欲の高まりと同時に公的機関への期待の高さもわかる結果が出た。
旅先での人との関わり方への意向は、今後1年間程度は「旅行先で必要最低限の関わりに抑えたい」が54・7%と前回より微増。人との積極的な関わりを避ける傾向は続いている。
コロナ禍での旅行先決定で必要な情報の入手先は旅行先の自治体や観光協会、旅行会社のHPがトップ3の半面、家族・友人の話やSNSなど私的なルートからの情報入手も増加傾向。
オンライン旅行体験の有無は2・6%、今後の予定は4・8%と伸び悩んでいる。
調査は毎年実施。今回は4月28日―5月6日にインターネットで全国の15歳以上の男女を対象に行った。有効回答数は2万。