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持続可能・インバウンド回復・国内交流拡大を柱に 観光庁、新たな観光立国推進基本計画の素案を提示

23/02/17

観光庁は2月9日、交通政策審議会観光分科会を開催し、今年度内の改定が予定される新たな観光立国推進基本計画の素案を提示した。計画の期間は2023―25年度の3カ年。現在の計画は20年度で終了していたが、コロナ禍の混乱で先送りになっていた。3月末までの閣議決定が目指され、国としてのコロナ後の観光施策の方針が定められることになる。

観光施策の基本方針としては「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」をキーワードに、「持続可能な観光地域づくり戦略」「インバウンド回復戦略」「国内交流拡大戦略」を3本柱の戦略として総合的かつ強力に推進していく。観光をコロナ後の成長戦略の柱、地域活性化の切り札と位置付け、国際観光、持続可能な形での観光復活、25年の大阪・関西万博を見据えての観光戦略を現状の課題を踏まえた上で計画を展開する。

「持続可能な観光地域づくり戦略」では、宿の改修など地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化、観光DXの推進、高付加価値な旅行商品の造成など観光産業の革新、観光人材の育成・確保、DMOを中心とした観光地域づくり、持続可能な観光地域づくりの体制整備を推進についての施策を講じる。

「インバウンド回復戦略」では、文化や自然、食、スポーツといった分野で体験を創出するなどインバウンドの回復に向けた集中的な取り組みを展開。消費拡大や地方誘客に効果の高いコンテンツの整備、高付加価値旅行者の誘致を促進するほか、MICE・IRの推進や受入環境の整備、プロモーション強化、国際相互交流についても取り組みを進める。

「国内交流拡大戦略」では、国内旅行需要の喚起や新たな交流市場の開拓、旅行需要の平準化を施策の柱とした。

数値目標は、コロナ禍の先行きが不透明なため人数を中心には据えずに設定。持続可能な観光の取り組む地域は22年の12地域から100地域、うち国際認証・表彰地域は50地域と現行から大幅増となる目標を設定した。

インバウンド関連については、新たに訪日外国人旅行消費額単価を設け19年比25%増の1人あたり20万円とした。訪日外国人旅行者1人あたり地方部宿泊数も新設し19年比10%増の1・5泊。訪日外国人旅行者数と日本人の海外旅行者数は数値を定めず19年の水準を超えることを目標に。国際会議の開催件数割合はアジア最大の開催国を目指す。

国内交流拡大戦略については、日本人の地方部延べ宿泊者数が19年比5%増の3・2億人泊、国内旅行消費額が30年目標を前倒しして22兆円とした。

観光庁

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