観光庁25年度概算要求、総額で1.2倍の628億円要求 宿泊産業再生の後押しなど
観光庁は8月27日、2025年度(令和7年度)予算の概算要求をまとめた。一般会計分は前年度予算比1・5倍の149億9700万円とした。東日本大震災の復興枠は前年度同額の7億6500万円、国際観光旅客税を活用した観光施策は同1・17倍の470億円を要求。総額は同1・2倍の627億6200万円を求めた。
新たに、宿泊産業の再生を後押しする「観光産業再生促進事業」として3億円を要求。コロナ禍で増加した債務の返済に行き詰まり倒産や廃業に至る宿泊事業者が増加するおそれがあることから、再生能力があると見込まれる宿泊事業者に対して、事業再生の後押しを図る。再生ファンドと連携し資金援助や事業再生計画の策定、専門コンサルタント派遣などを行う。
また、地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取り組みのなかで「地方部における新消費税免税店モデル構築等事業」も新規に5千万円要求した。25年度の税制改正を見越して、地方部における工芸品や特産品などの高単価商品を販売している小売店を中心に免税店化のモデル実証事業をDMOが主体となって行い、地方部での消費拡大を促進する。結果は他地域への展開につなげる。
継続事業では、「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」と「観光地・観光産業における人材不足対策事業」で前年度の3倍以上の予算を要求した。
安全・安心対策推進事業は1億円とし、自然災害発生時にインバウンド客への正確な情報発信や観光施設などにおける非常時対応機能強化、医療機関のキャッシュレス決済対応などを促す。
観光業界の喫緊の課題となっている人材不足対策事業には3億円を要求。採用活動からDX化推進のための設備投資支援、外国人材の確保など多角的に人手不足解消を図っていく。
さらに「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズムの創出事業」には、前年度予算9・26倍の5億円を計上。宿泊施設のバリアフリー化や、災害発生時に避難拠点として機能できるよう宿泊施設の改善を補助するほか、ユニバーサルツアーの造成を支援する。
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