楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

フィレンツェで初のG7観光大臣会合 持続可能性確保やAI活用でコミュニケ採択

24/11/22

11月13日から15日まで、イタリア・フィレンツェで、初のG7観光大臣会合が開催された。

会合には、G7各国(日本、イタリア、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ)の代表者に加え、EUやOECD、国連世界観光機関(UNWTO)、ブラジル、エジプト、インド、サウジアラビアなどの招待国・機関が参加し、議長国イタリアを代表するダニエラ・サンタンケ観光大臣のもと、各国代表が観光産業における共通課題と将来の展望を共有した。

G7の枠組みでは初めての開催となった

議論の中では、観光が地域住民や中小企業を含むすべての人々に恩恵をもたらすべきであるとの共通理解が示された。これに関連して、観光地の多様化や計画的な発展、季節性への対処が観光の持続可能性を確保する上で重要であると認識された。また、気候変動や資源消費の課題に対応するため、観光産業のグリーン・トランスフォーメーションが推進されるべきとされた。

そのほか持続可能で包摂的な社会発展のための観光の役割、観光産業における人材育成、人工知能(AI)の導入とその可能性や課題について議論が交わされた。

日本から参加した秡川直也観光庁長官は、持続可能で強靭な観光の推進に関する日本の取り組みを紹介するとともに、AI導入による観光の革新についても提案を行った。また、今回の会合に先立ち日本が主催した宮城県仙台市での観光レジリエンス閣僚会合の成果を説明し、観光産業の危機対応能力向上の必要性を訴えた。

これら会議の成果としてG7各国が観光分野における協調的な取り組みを推進する意義を共有するとしたコミュニケが採択された。

コミュニケでは、持続可能で包摂的な観光の発展を促進することや、観光産業における人的資本の役割の重要性とその向上を目指すことが明記された。

また、デジタル技術とAIを活用しながら観光の発展を図る方針も盛り込まれた。特に、観光が国際平和や異文化理解、経済的繁栄の促進に果たす役割について再認識し、持続可能な繁栄のための新たな取り組みが求められるとされた。

さらに観光の成功は訪問者数だけで測られるべきではなく、観光がもたらす総合的な影響を評価すべきとする視点が示された。

また、AI技術の導入による効率化や持続可能性の向上、観光産業の新たな可能性についても強調された一方、フェイクレビューや消費者行動操作などのリスクに対応するための対策の重要性も指摘された。

期間中、秡川観光庁長官はイタリアのサンタンケ観光大臣やドイツのディーター・ヤネチェク経済気候保護省観光担当コーディネーターと個別会談を行い、大阪・関西万博のPRや観光産業におけるAI活用について意見を交わした。

この記事をシェアする
購読申し込み
今読まれているニュース
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
未来へつなぐ四国「おもてなし」の魂・愛媛編

「四国はひとつ」の旗頭のもとに4県がひとつになって観光振興を進める四国。その根幹は、四国八...

未来へつなぐ四国「おもてなし」の魂・高知編

「四国はひとつ」の旗頭のもとに4県がひとつになって観光振興を進める四国。その根幹は、四国八...

未来へつなぐ四国「おもてなし」の魂・徳島編

「四国はひとつ」の旗頭のもとに4県がひとつになって観光振興を進める四国。その根幹は、四国八...

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ