個性ある7事例を披露 観光庁・地域観光新発見事業、東京で成果発表会開催
観光庁は1月29日、2024年度に推進する「地域観光新発見事業」の成果発表会を東京・品川で開いた。事業を活用した7つの事業者が開発した観光コンテンツを披露するなど、好事例を紹介した。観光庁観光資源課の豊重巨之新コンテンツ開発推進室長は「それぞれが個性的な取り組みであり、これから観光コンテンツを開発する人にも参考となる機会となった。今回の例を踏まえながら、今後につなげてほしい」と語った。
地域観光新発見事業は、地域の観光資源を活用した地方誘客に資する観光コンテンツについて、十分なマーケティングデータを生かした磨き上げから適時適切な誘客につながる販路開拓及び情報発信の一貫した支援を行うことを目的として実施されている。
成果発表会の冒頭、主催者を代表して豊重室長が観光の動向について「宿泊先は都市部へと偏在傾向にあり、今後は地方への誘客を強力に推進していく必要がある」と強調した。
観光庁では、来年度から、地域観光新発見事業の後継事業にあたる「地域観光魅力向上事業」を展開する。地域観光魅力向上事業では、地域資源を活用した収益性が高く、独自性・新規性のある観光コンテンツの開発から適切な販路開拓や情報発信の総合的な支援を行う。
成果発表では▽「津和野町(島根県・津和野町)」津和野町観光協会/津和野体験Yu-naの岡野優衣代表▽「瀬戸内ウェルネス・フェスタ実行委員会(香川県丸亀市)」トレーニングレース・ジャパンの浅野徳一代表▽「摂田屋・宮内エリア観光まちづくり協議会(新潟県長岡市)」長岡市観光企画課の小島由妃子氏▽「大望閣(佐賀県唐津市)」デジタルスマートシティ推進財団の真鳥喜章氏▽「出羽庄内地域デザイン」(山形県鶴岡市)出羽庄内地域デザインの小林好雄社長▽「WasshoiLab(宮城県白石市)」Wasshoi Labの後藤 永行氏▽「OUGI(大分県宇佐市)」OUGIの鈴木雅己氏―が登壇。各事業者が好事例となる成果や課題、今後の展望を発表した。
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成果発表を行った皆さん
その後、デスティネーションマーケティングやインバウンド富裕層旅行業を手掛けるwondertrunk & co.の岡本岳大CEOをモデレーターに「観光コンテンツの販売戦略」と題したパネルディスカッションが行われ、主にインバウンドに向けた販売における工夫や手法などを議論した。
岡本CEOは、富裕層といってもタイプや使う金が異なることを指摘するなど、ターゲットを理解しながら販売の戦略方針を考える必要性を説いた。
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