震災による国民保養温泉地の影響調査へ
11/08/15
国民保養温泉地協議会(河津修司会長=熊本県南小国町長)はこのほど、岡山県真庭市の湯原温泉ミュージアムで2011年度総会を開き、東日本大震災による影響調査を実施することなどを決めた。
同協議会は、国民保養温泉地の所在する89の市町村で構成する組織で、会員温泉地相互の連絡、温泉利用施設の整備及び環境の改善、国民保養温泉地の普及と利用の拡大を目的に活動している。総会には50人が出席した。
国民保養温泉地は、温泉法第29条にもとづき、温泉の効能や湧出量、温泉地としての環境が優れていることなどを基準に指定されている。1954年に制度が始まってから、これまで全国で91温泉地が指定されている。ちなみに国民保養温泉地指定の第1号は、青森県酸ヶ湯温泉、栃木県日光湯元温泉、群馬県四万温泉。
湯原温泉で総会が開かれるのは71年以来40年ぶり。真庭市は、56年に湯原温泉郷(湯原、郷緑=ごうろく、足=たる、真賀=まが)として国民保養温泉地に指定されている。
11年度事業では、東日本大震災による国民保養温泉地への影響調査を実施する。また、ホームページをリニューアルし、英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)に多言語化し、海外への情報発信に取り組む。
総会後に、環境省自然環境局の大庭一夫参事官が、「現在と今後の温泉行政」と題し講演。国民保養温泉地の選定標準を見直すようになった経緯や、選定標準の素案について示した。
また、再生可能エネルギーの導入促進に向けた規制の見直しの一環で、温泉法における地熱発電についての掘削許可の判断基準について、考え方の策定に向けた検討に着手していることなどを説明した。