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温泉権と集中管理 下呂の取り組みが書籍に/岐阜

岐阜県・下呂温泉の温泉権や集中管理の歴史をまとめた本がこのほど出版され、下呂温泉旅館協同組合(瀧多賀男理事長)が水明館で出版記念式典を開いた。

本は「温泉権の歴史と温泉の集中管理」。元帝京大学法学部教授の北條浩さんと流通経済大学法学部教授の村田彰さんが執筆した。法律上における温泉の集中管理に伴う温泉の権利についてどのような問題があるかを明らかにしている。また江戸時代から昭和に至るまでの下呂温泉の温泉権の歴史にも言及し、各時代の集中管理の状況などを解説した。

下呂温泉式典

水明館で開かれた
出版記念式典

今回の出版に合わせ、水明館の先代である故・瀧行雄さんが主導して企画し、故・川島武宣さん(元東京大学法学部教授)の指導で調査が実施された「下呂温泉史料集」も再刊した。

式典で瀧理事長は「この本で温泉資源の掘削や存続に先人がいかに苦労し、努力してきたかを知ってほしい。今後、観光振興に生かしてもらいたい」と呼びかけていた。

北條さんと村田さんには瀧理事長から記念品が贈られ、その後に基調講演を行った。北條さんは「下呂温泉は温泉地を文化という面からみても第一級以上の温泉地」などと話した。

下呂温泉旅館協同組合は湯之島館で新年総会も開き、関係者約160人が出席した。

瀧理事長は下呂の一番の宝は温泉であることを強調し、その活用を求めた。加えて、耐震改修促進法の改正による一部旅館の耐震改修や消費税の税率アップに伴う外税表示の問題について対応策を語った。さらに、昨年末に訪日外国人客が1千万人を突破した点について触れ、下呂温泉の外国人観光客の受け入れ環境整備の必要性を言及。「外国人が楽しんでもらえるまちづくりが求められる」と話した。

下呂市の野村誠市長も耐震改修促進法問題について「国や県と歩調を合わせて取り組んでいきたい」と話したほか、国道41号の整備の必要性を訴えた。下呂温泉各施設の永年勤続従業員表彰も行われた。

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