温泉利用者目線で「温泉塾」 日本温泉協会が開催
14/08/05
日本温泉協会は7月11日、東京・永田町の都道府県会館で第1回温泉塾セミナーを開いた。昨年度、女性の力で組織力アップを図ろうと同協会に新設された女性部委員会が主催したもので、講師には日本文学の研究者でコメンテーターとしても活躍するロバート・キャンベルさんを招いた。
冒頭、小口潔子委員長(福島県磐梯熱海温泉・四季彩一力)は「協会活動には温泉利用者の目線に沿った取り組みがもっと必要だと感じています。私たちは計測できないけれど、確かな効果を温泉に感じます。こうした温泉の不思議な魅力に迫りたい。今日は、キャンベル先生の講演で、日本人の精神の根っこと温泉の関係について考えたい」と温泉塾の発会にあたってあいさつした。参加費3千円の温泉塾に一般温泉ファンや旅館女将など50人が参加した。
キャンベルさんは「日本文化と温泉」と題した講演を、自身と温泉との縁から話を始めた。「私は山梨県甲府市の湯村温泉にある常盤ホテルの創業者の娘と養子縁組しています」。常盤ホテルの女将の笹本かほりさんは、同女性部委員会の副委員長を務めていることもあり、ボランティアで講師を引き受けた。
キャンベルさんは「日本は温泉でつながっている国。人々の心のなかに温泉がある。東日本大震災時に多くの温泉旅館が被災者を受け入れたことに、温泉の底力を感じた。大きな災害時に温泉旅館が命をつないだ」などと話した。