北陸新幹線開業へ誘客と魅力向上 山代温泉観光協会/石川
石川県・山代温泉観光協会(萬谷正幸会長=瑠璃光)はこのほど、雄山閣で2014年度通常総会を開いた。来年3月の北陸新幹線金沢暫定開業まで1年を切ったことで、首都圏からの戦略的な誘客拡大と受け地の魅力向上を両輪として積極的な観光振興事業に取り組むことを決めた。
具体的な事業は(1)湯の曲輪をシンボルイメージとした温泉への誘客につながる話題・情報づくり(2)まち歩きの仕掛けや仕組みづくりを行うまち全体のホスピタリティ向上と地域食材や器を活用したグルメスポットづくり(3)紅がら格子を活かした統一感ある通りの推進で山代らしい界わい形成、ストリートとスポットの創出―などを行う。
海外からの誘客では台湾便のデイリー化による商品造成や、東アジアを中心とした情報発信の機会を増やし、個人旅行を中心とした掘り起こしに努めるとした。
そのほか、昨年、白山スーパー林道通行料助成キャンペーンでは2207台が利用したことが報告された。そのうち大型バスは266台、普通車は1818台だった。また、加賀市を周遊するキャンバスの利用は10万6541人だった。
萬谷会長は「消費者は質を重視する傾向が大きくなっている。価値のある手ごろな価格の商品が受け入れられている。我々も上質、ゆとり、文化といった成熟社会の3つのキーワードを捉えた取り組みが必要だ」。
さらに、来年の北陸新幹線開業については「日本で一番大きなマーケットが動くことに期待したい」としながらも、来年は金沢のホテルがほぼ一杯であり、加賀エリアへ宿泊需要が波及するか危惧しているとした。インバウンドについても「他エリアではインバウンド客が溢れている状況の中で、加賀エリアへは少ない。強化したい」と語った。
総会終了後、加賀市の宮元陸市長が加賀市の観光施策について話した。宮元市長は、加賀市を観光地にふさわしい花や緑の美しい景観にするガーデン・シティ構想を推進する考えを示した。各温泉地に入湯税を活用して観光予算を配分したい考えを持っていることも明らかにした。