観光庁主催の「観光×テック」コンテスト 19社が最前線報告
観光庁は10月1日、都内で「観光×テック」をテーマとするピッチコンテスト「G20 Tourism Innovation Pitch」を開催した。同庁によるピッチコンテストの開催は初めてで、この日は日本・タイ・インドの3ヶ国から19社・団体が、各5分間のプレゼンテーションで自社の技術やサービスを紹介。入賞したインドのGlobal Himalayan Expedition、日本のWheeLog、WAmazing(プレゼンテーション順)の3社は、26日に北海道の倶知安町で開催されるG20観光大臣会合で、各国や国際機関の代表団を前にプレゼンテーションをする機会を得た。参加者は登壇者を含めて約150名。
7月16日から8月29日にかけて22ヶ国・地域から108件の応募があったうち、書類審査を通過したのは20社・団体(中国の1社が通過後に辞退)。観光庁によればピッチコンテストのねらいは「民間のベストプラクティスを各国・国際機関で共有し、議論を深め、全世界的な規模で持続可能な観光の実現に向けた取り組みを加速させること」で、国内の優れた取り組みやサービスを各国の観光大臣が集まる場でアピールしたい考え。
開会式では主催者を代表して同庁長官の田端浩氏が挨拶し「さまざまな取り組みを勉強させていただき、今後の観光行政に活かしていきたい」と語った。
審査のポイントは「持続可能な観光の実現に寄与するか」「革新的で社会的な影響の大きい技術やサービスか」など。ピッチコンテストの審査員は、みずほ銀行執行役員イノベーション企業支援部長の大櫃直人氏、SAPアジア太平洋・日本地域イノベーション部門責任者でSAP Labs Japanマネージングディレクターのシュネード・カイヤ氏、観光庁国際観光部参事官国際関係担当の町田倫代氏の3氏が務めた。
登壇した19社・団体のうち、日本の17社は訪日旅行に関するサービス提供に重きを置く企業・団体が中心。起業して間もないスタートアップが多いなか、訪日旅行者への多言語災害情報発信に取り組むぐるなび、顔認証やID連携による手ぶら観光を推進する日本電気(NEC)といった有名企業もプレゼンテーションを実施した。
入賞した3社・団体のうち、Global Himalayan Expeditionの「Impact Tourism to bring Solar Energy and Development to Remote mountain communities」については、ヒマラヤ奥地の電気が通っていない村にトレッキングツアーの参加者が太陽光発電装置を届けるユニークな取り組みを評価。
WheeLogの「みんなでつくるバリアフリーマップ『WheeLog!』」については、スマートフォンアプリによってユーザー同士がバリアフリー関連情報を共有可能にしたことを評価した。
WAmazingの「訪日外国人旅行者に特化した『手の中の旅行エージェント』WAmazing」については、国内の22空港で訪日旅行者にSIMカードを無料配布するとともに、地方送客に向けた情報発信や予約・決済サービスに注力していることを評価した。
なお、観光庁はみずほ銀行、JTB、日本政策投資銀行の協力のもと、今回のピッチコンテストに出場した企業・団体を、25日にG20観光大臣会合のサイドイベントとして開催するビジネスマッチングに招待する予定。観光庁は「ピッチコンテストを通して発掘した革新的な技術やサービスを、北海道の観光関連企業などに紹介し、大臣会合の成果を開催地に還元する」としている。
登壇した19社(プレゼンテーション順)
SEKAI HOTEL、Airporter、atta、NOFATE、ecbo、Global Himalayan Expedition(インド)、ぐるなび、Luup、日本電気、ビースポーク、WheeLog、オー・エス・エス、PIJIN、プレースホルダ、Stroly、TakeMeTour Private Limited(タイ)、tripla、WAmazing、Wovn Technologies
※国名がない17社・団体はいずれも日本
情報提供 トラベルビジョン
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