「穴場、技術、ペット、孫」など ブッキング・ドットコム、20年旅行トレンド発表
数々のユニークな宿泊施設と人々を繋げる世界最大級の宿泊予約サイトBooking.com の日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパンは10月11日、2020年旅行トレンド予想を発表した。旅行とテクノロジーの分野を牽引する企業として誇る専門知識と、 29の市場の22,000人以上を対象とした調査や1億8,000万件以上のクチコミの情報を元に調査。テクノロジーに基づくお勧め情報から「穴場旅」まで、2020年を象徴する旅の8つのトレンドを紹介する。
ブッキング・ドットコムは新しい旅の形を見定め作り続けている
21世紀における新たな節目を迎える2020年。 人々が持つ旅行のニーズや行動、 要望もさらに変化していくなか、 私たちを取り巻く世界そのものも変わりつつあります。 このような時代の流れを受け、 「すべての人に、 世界をより身近に体験できる自由を」を企業理念に掲げるブッキング・ドットコムは、 2020年は 「未だかつてないスタイルの旅が象徴する年になる」 と予想しており、 テクノロジーをはじめ、 旅先や現地の人々への責任感や深い繋がりが新たな旅を形作っていくこととなると予測しています。
オーバーツーリズムの回避を図る「穴場旅」の人気が上昇
2020年は、 知名度がそれほど高くない旅行先を訪れることでオーバーツーリズム(観光客の著しい増加)の回避や環境の保護を図る、 「穴場旅」が人気を博すことが予測される。 日本でも、 関西経済白書( https://www.apir.or.jp/ )に、 京都の回避先として奈良が挙げられたように、 回避先に近隣の穴場や他の場所を探す旅行が考えられる。 世界の旅行者の54%が「オーバーツーリズムの緩和に貢献したい」と答えており、 「環境負荷が抑えられるのであれば当初の旅行先と似た場所へ出かける」と回答した旅行者は51%に上っている。 加えて60%の旅行者は、 観光により現地のコミュニティに良い影響を与えられるような旅行先をお勧めするサービス(アプリやウェブサイト)を利用したいと考えている。 このニーズを受け、 希望の旅行先にある穴場的なエリアや近隣の目的地をより簡単に調べられる機能を各社が提供していくようになると考えられる。 旅行者の旅の好みに基づき、 選択国や地域にある代替となる旅行先や知名度が少し低い旅行先を提案することで、 旅行者の需要を満たしていくと予測される。 また、 旅行業界内のコラボレーションが活発化し、 旅行についての意識変化を狙ったキャンペーンが増えていくほか、 移動手段などのインフラ整備が進むことで主要な観光地ではないエリアへの旅行も伸びていくかもしれない。
テクノロジーが叶える、 未知なる体験との出会い
2020年には、 旅行者の意思決定においてテクノロジーがより大きな役割を果たすようになると考えられる。 広い世界のどの場所でどのようなことをして旅行を楽しむか、 満足のいく計画を立てるのは少し大変なときもある。 しかし2020年には、 この問題を解消するのに役立つ革新的な技術が現実のものとなると見られている。高性能で信頼できるテクノロジーに基づいたお勧め情報によって、 知る由もなかった様々な新しい体験に簡単に出会うことができるようになり、 旅行先での一瞬一瞬を目一杯楽しめるようになるかもしれない。
2020年は、 全く新しいものを紹介してくれるツールや期待以上のオプションやサプライズのオプションを提供してくれるテクノロジー関連のツールを利用したいと答えた59%の旅行者にとっても、 とても期待ができる年となる。 また、 46%の世界の旅行者は「旅行中にリアルタイムでアクティビティを素早く簡単に検索、 予約できるアプリを使いたい」と答えている。 さらに、 「アクティビティを事前に計画できて、 手軽に予定を確認できるようなアプリを利用したい」と回答した旅行者は44%に上っている。 このようなより効率的に画期的なアプリを旅行の際にリアルタイムで使用したいという需要も伸びているため、 2020年には現在のユーザーの好みや過去の旅行履歴、 天気や人気などの要因に基づいて旅行先や宿、 アクティビティを各ユーザーにお勧めするアプリや人工知能がさらに数多く登場すると考えられる。
周りに置いて行かれないための焦りを感じながらの旅ではなく、 ゆったりと楽しむ旅へ
これまでの周囲の人々から取り残されてしまう恐怖から、 できるだけ多くのことを素早くこなそうとする旅のスタイルに代わり、 2020年にはゆったりとした時間を過ごす旅が人気となると予測される。 2020年には「環境への影響を削減するために少し時間がかかる移動手段を選ぶことを検討する」と答えた旅行者は48%を占め、 61%は旅そのものをより満喫するために距離がより長い経路を選ぶことを希望している。 自転車やトラム、 雪ぞりにボート、 そして徒歩など、 ゆっくりとしたペースの旅を楽しみたいと思わせるような移動手段も一般的になると予想される。 事実、 「ユニークな移動手段を利用するのであれば、 目的地に到着するのに時間がかかっても気にしない」と回答した旅行者は57%にも上った。 また64%の旅行者は、 オリエント急行やイギリスのフライング・スコッツマンなどの「古き良き鉄道でタイムスリップ感覚を味わうことに興味がある」と回答している。 2020年は、 時間をかけた特別な旅行の流行が注目される。
多彩な魅力が揃う旅行先への旅
せわしなく時が過ぎる現代では多くの人が時間が足りないと感じており、 この感覚は旅行中にも影響している。 旅行先をできるだけ効率的に楽しみたいという希望から、 2020年には1つのテーマに絞った旅行ではなく、 幅広い種類の心躍る体験や名所などの多彩な魅力が揃う旅行先への旅行が人気を得るだろう。 54%の旅行者は、 好みの体験を楽しめる場所や名所が近くに固まっている旅行先への長期間の旅行に出かけたいと述べており、 「旅行にかかる全体的な時間を節約するため、 好みの体験を楽しめる場所や名所が近くに固まっている旅行先を選ぶ」と答えたのは全体の62%だった。 これを受け、 多彩な魅力を誇る旅行先を最大限堪能できるよう、 様々な楽しみがある旅程や得な情報、 ルートを提示して旅行者を手助けするような動きが旅行業界で見られると予測される。
滞在中のヴィラのバルコニーから望める自然の絶景から歴史的な名所、 歩き回った後に憩いの時間を持てる美しい庭園や砂浜、 そして舌もとろけるような地元の絶品料理など、 旅の醍醐味のすべてが味わえる旅行先について尋ねたところ、 ブッキング・ドットコムのユーザーは「ウルグアイのモンテビデオ、 ブラジルのイーリャベーラ、 沖縄の那覇」を多彩な魅力が揃う旅行先のトップとして挙げている。
ペットと一緒に楽しめる旅行が優先事項に
世界的に、 ペットの飼い主の55%はペットを自らの子供と同等に大切な存在だと答えており、 2020年はペット中心の旅行の新しい時代が到来すると考えられている。 旅行先や宿、 旅行先での体験を選ぶ際、 自身よりもペットのニーズを優先する旅行者が現れていく可能性がある。ペットの飼い主の42%は「2020年はペットを連れて行けるかどうかで旅行先を考える」と答えており、 49%は「ペットに配慮した宿泊施設に泊まるためにより多くの金をかける意欲がある」と回答している。 「このトレンドを受け、 需要に応えようとペット歓迎の宿泊施設はブッキング・ドットコム上で増え続けていく予定」とブッキング・ドットコム。 さらに、 世界中の宿泊施設はソファのようにも使える無料の犬用デイベッドやペット用スパ、 専用のルームサービスのメニューやペットを念頭に設計されたレストランなど、 ペット用の設備やアメニティなどを提供する革新的な方法を探って成功を収めようとすると見られる。 2020年は、 ペットも存分に旅を楽しめる年になりそうだ。
孫との旅行で心に残る思い出作り
2020年には、 祖父母の世代が子供を伴わず、 孫とだけで大興奮の旅行に出かけることが増えることが見込まれる。 孫を持つ回答者の72%は「孫と過ごす時間のおかげで若々しくいられる」と答えている。 さらに、 71%は親には子供から離れて過ごす時間が必要だと考えている。 現代の年配者がかつてないほどに健康的で冒険心に溢れており、 そして若々しく活動的でいたいと考えていることもあり、 祖父母と孫の両世代が参加できるアクティブな体験を豊富に楽しめる大興奮の旅行が人気を得ると予測される。
レストランの予約が旅行の重要な要素に
有名なレストランを予約するための競争が続くなか、 2020年は「旅行者が旅の計画で美食への願望を前面に押し出していく」ようになる。 多くの旅行者にとって、 いつどこへ旅するのかは好評な飲食店、 特に数ヶ月先まで予約待ちなほどの人気店を予約できるかどうか次第になると考えられる。 また、 グルメ欲をくすぐるコンテンツやお勧め情報がSNS上に溢れかえっている現代では、 予約必須の有名店以外のお店にも関心が寄せられていくはずだ。 地元の人々に長らく愛され、 自家製の逸品に舌鼓を打てる隠れ家的な店は、 メインのエリアからは遠く離れた場所にあることもあり、 事前の調査が不可欠となる。 旅先では地元の食材を使った料理を食べるのが重要だと答えた旅行者が71%にも上るなか、 それらの名店は地元ならではのグルメを体験したい旅行者の味覚を刺激するに違いないと予測。 続々と現れていく名店が予約で埋まる前に堪能しようと、 2020年は旅行者が旅先で美食を味わうためのレストラン予約を旅行計画の中心に据えていくと考えられる。
退職後は長期旅行へ
一定の年齢に達していなくとも仕事を引退するケースが珍しくなくなり、 早期退職を積極的に計画する人も増えるなど、 定年退職が絶対的なものではなくなってきた現代。 早期退職の計画が同時に「大冒険の計画」をも意味するようになるという驚きの時代になると予想される。 18~25歳の23%は55歳になる前に早期退職を行おうと計画しており、 退職後の予定にも変化が見られている。 また2020年には、 旅行者の考え方が変わり、 退職後という将来の黄金期に向けて壮大な計画を立てるようになると考えられている。 事実、 旅行は退職後の時間を過ごすのに最適な方法だと回答した旅行者は全体の65%に上っている。
旅行者の47%は「退職後により冒険に満ちた旅行の選択を行うつもりだ」と回答しており、 退職済みの19%は数ヶ月間旅に専念できる「ギャップイヤー」を計画していると答えている。また、 このギャップイヤーは年齢を問わずいつでも行えることだと考えている旅行者は、 全体の52%を占めている。 様々な年齢層にとって退職と旅行は関係の深いものであることを受け、 「退職旅行」のための貯金を通じて人生最長レベルの旅の計画を支えるようなプロダクトが現れると考えられている。
ブッキング・ドットコムによる2020年における旅行のトレンド予想についての詳細は、HPまで https://travelpredictions2020.com/japan/
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