日ASEAN観光大臣特別対話、持続可能な観光と相互交流の促進へ初開催

日本とASEAN各国観光大臣などによる初の「日ASEAN観光大臣特別対話」が10月28日、東京都港区の東京プリンスホテルで開かれた。「日ASEANで歩むこれからの50年～持続可能な観光への道を共にデザインする～」をテーマに議論。日ASEANの観光部門の大きな可能性と、世界で最も有望な観光地である日本およびASEANが、観光協力を推進するために協調して努力することの重要性を認識しながら、「持続可能な観光」「相互交流」を促進することで合意。斉藤鉄夫国土交通大臣は会見で、「私たちは対話を経て皆が友達となった。観光は世界でも重要な産業であり、日本とASEANが率先して相互交流の拡大を進め、世界平和にも貢献していく」と話し、「観光交流を協力して行う信頼のベースができた」と成果を述べた。

日ASEAN友好協力50周年を記念して初開催

特別対話は、日ASEAN友好協力50周年を記念し、ASEAN観光大臣会合（M-ATM）の議長国であるラオス人民民主共和国情報文化観光省の協力を得て初開催。観光分野における協力の強化で、同地域における観光のさらなる発展を目指すことに合意した。  

持続可能な観光と相互交流の2本柱を促進

持続可能な観光の促進に向けては、環境の影響を軽減するだけでなく、地域経済・社会の持続可能性を高めていく。ASEANが採択した「持続可能な観光開発に関するASEANフレームワーク」および、日本が採択した「観光立国推進基本計画」とオーバーツーリズム未然防止のための取り組みに留意しながら取り組みを進める。具体的には、革新的なマーケティング活動や、観光コンテンツの開発、気候変動に関する意識の向上、観光従事者に向けた待遇改善、観光関連の雇用機会の創出、データ活用の奨励、危機管理、地域共有、イノベーションや投資などに取り組む。 相互交流の促進に向けては、国際感覚の向上と相互理解の増進を図るとともに、持続可能な観光に留意しながら世界の平和と繁栄に貢献する。今後は、アクティビティや自然、食、文化といった観光コンテンツの開発や旅行者が安全に楽しめる環境整備を奨励するほか、あまり知られていない地域や地方への誘客、ビジネスや教育、研究、文化芸術・スポーツ・自然・ウエルネス・アドベンチャーといった多様な分野にわたる日ASEANの観光交流の拡大などを図る。