北近江旅行業協会が発足 着地型推進へ12社結束
一般社団法人北近江旅行業協会(矢野明代表理事=長浜観光)が発足した。滋賀県湖北地方の着地型旅行の企画販売や環境保全の活動などに取り組み、観光業を通じ地域の産業振興を図る。長浜市と米原市の旅行、運輸会社12社で組織しており、地域の旅行会社が主導し社団法人を設立するのは全国でも初めて。
設立式典は8月23日、長浜市の長浜ロイヤルホテルで行われ、地元の行政や観光関連団体関係者ら約70人が出席した。
矢野代表理事はあいさつで「湖北地域には琵琶湖や伊吹山の自然、観音の里などの歴史文化といった数多くの資産があります。その資産を掘り起こし、地域ならではの旅行商品を開発したい。全国5400社の全国旅行業協会会員の模範となるような組織づくりを目指します」と話した。
北近江旅行業協会では(1)曳山まつりなど地域の祭りや伝統文化に参加体験する着地型旅行の造成と販売(2)ボランティア組織「長浜再発見隊」の立ち上げ(3)森林再生など環境保全への取り組み―などを初年度事業として推進する。また、社団法人として公益性のある事業展開を行政に働きかけ、湖北地域の指定管理者の請負業務の獲得など、地域で官民協働の仕組みづくりを構築していく。
このうち、着地型旅行については全旅のANTA―NETなどに商品を流通させ、地域での宿泊滞在客の増加につなげたい意向だ。
滋賀県湖北地域は「びわ湖・近江路観光圏」に選定されており、現在、着地型旅行の造成などは近江屋ツアーセンターがランドオペレーターの機能を担っている。同協会では、ツアーセンターの業務を補完しながら、国の観光圏整備補助事業が終了後も「持続的な着地型旅行の造成販売を図るのが目的」(中川安之専務理事)としている。
同協会役員は次の通り。
代表理事=矢野明▽専務理事=中川安之(太陽ツーリストサービス)▽理事=中河茂(メッツワールド)、加納義之(トラベルメイトサービス)▽監事=濵川祐次(サンコートラベルサービス)