国内「クリスマス旅」、海外「羽田国際化・円高で好調」 JTBが年末年始旅行動向予測
JTBは12月2日、年末年始(12月23日―2011年1月3日)の旅行動向の見通しをまとめた。1泊以上の総旅行人数は前年比0.7%増の2934万6千人と推計。国内は「クリスマス旅行」が人気、海外は羽田空港国際化と円高から増加基調を示した。
宿泊を伴う国内旅行は、同0.6%増の2876万4千人と予測。旅行日数は1泊2日が最多の33.5%(前年比1.8%増)で、出発日は12月30、31日、帰着日は1月2、3日がピークと見込まれる。
今年の休みは一般的に12月31日―1月3日の4日間と短いが、12月24日を休めば4連休となる12月23―26日は高速道料金1千円が適用されることもあり、クリスマス期の旅行が増えそうだ。アンケートでも12月23―25日の出発は旅行予定者の9.0%を占め、前年比5.6%増。クリスマスということで都市やテーマパークの夜景、イルミネーションを組み込んだ旅の増加が予想される。
方面別では前年比で近畿5.8%、九州3.6%、北海道2.9%増が目立つ。12月4日の東北新幹線全線開業で便利になった青森や函館が注目を集めるほか、大河ドラマ「龍馬伝」人気の京都や高知、長崎も引き続き好調に推移しそう。宿泊先では旅館が2.0%減に対して、ホテルが6.1%の大幅増という。
海外旅行は、同3.4%増の58万2千人。短い休みながらも数字を伸ばしたのは羽田空港の国際化と円高基調が消費者の旅行意欲を高めたからだ。
特に羽田国際化は、アジア・ヨーロッパ方面の座席供給の増加、早期帰着便など利便性が向上。アンケート回答者全体の22.0%、関東では42.0%が「便利なので利用したい」と答えるなど期待度が高い。円高も海外での買い物や飲食を安く楽しめるなど旅行意欲を刺激している。
方面別では座席供給量大幅増の台湾や香港、ユーロ安のイタリアやスペイン、自然遺産周遊コースが話題を集めるニュージーランドなどが好調。
調査結果はJTBや航空会社の予約状況に加え、11月4―16日の期間に全国200地点で調査した15―79歳の男女1200人のアンケートから推計した。