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総旅行人数は3億1930万人 JTBの11年旅行動向、3市場とも増加予測

11/01/13

2011年は国内旅行人数、海外旅行人数、訪日外国人数ともに増加しそう―。JTBはこのほど、11年の旅行動向見通しを発表した。長引くデフレや賃金の伸び悩みで節約志向はさらに強まっているものの、好きなことにお金を使う"メリハリ消費"は進むと分析。10年より3回多く8回もある3連休、円高の継続などを追い風に総旅行人数は10年比101.3%の3億1930万人と予測している。

3連休増、円高が追い風 国内は新幹線延伸で青森、鹿児島へ

今年の経済環境は相変わらずの不透明感。吹き続く不況風から消費者の節約志向は続くとみられるが、今年は旅行業界にとって、そんなに悪いことばかりではない。

国内旅行は前年比1.2%増の3億200万人と予測。増加の要因は、3連休が8回と昨年より3回多く、GWも10連休が可能という、国内旅行に適した曜日配列の良さだ。短期間で楽しめる温泉旅行やリフレッシュ旅行など健康志向の旅への意欲が刺激されそう。

さらに、今年は目立ったイベントこそ少ないものの、青森や鹿児島への新幹線延伸、今や定着してきた感がある鉄道ファンの存在で遠距離・鉄道旅行が注目を集めるほか、建設が進む東京スカイツリーのおひざ元、東京下町も増加が期待される。しかし、平均消費額は節約志向で微増の3万2200円にとどまりそうだ。

昨年復活傾向を示した海外旅行は、同3.7%の1730万人と続伸。円高の追い風は引き続き吹くとみられ、首都圏発の航空座席増加も相まり期待感が高まっている。

特に、昨年の羽田空港国際化で韓国や台湾、タイなど近隣アジアへの旅行者増が予測される。羽田からニューヨーク、ロンドン、バンクーバー便の就航、関西空港には着陸料の大幅割引で新規航空会社の就航や既存路線の増便が期待されるなど明るい話題が豊富。格安航空会社(LCC)就航の効果も需要を押し上げそうだ。平均消費額は円高の影響で同1.9%減の25万6千円。

訪日旅行は、羽田国際化の影響で東アジアを中心に堅調に推移するものの、全体では同5.7%の920万人に。観光庁が当面の目標に掲げる1千万人には今年も届かない見込み。日中間の航空協定締結など、訪日誘客への一層の取り組みが期待される。

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