兵旅協、新理事長に菅原氏 楠本氏の遺志継ぎ設立35周年祝う
兵庫県旅行業協同組合(楠本弘理事長=西宮交宣社、27会員)は2月24日、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸で第35回通常総会を開いた。この日の未明、午前2時55分に病気療養中だった楠本理事長が亡くなったことを受けての総会だった。
菅原博美副理事長は「楠本理事長は1月中旬から入院されていたが、この35周年の記念すべき総会への思いは強く、記憶に残る35周年を迎えたいと話しておられた。その思いに応えるため、スケジュールを変更せず進めたい」と述べ、懇親会で予定している楠本理事長のご令室で元宝塚ジェンヌの諏訪あいさんと愛娘の沙樹さんのミニコンサートは予定通り行うと話した。
総会では、2010年度のクーポン発券総額が前年度比100.5%の16億800万円だったが、このうち日本旅行端末発券は後半伸び悩み取扱総額が同93.1%の3億2600万円に終わったことなどを伝えた。
今年度事業についてはクーポン発券総額目標を16億5千万円、そのうち日本旅行端末発券は3億5千万円を掲げた。また前年度につくった旅行会社が果たす役割を示した「中小旅行業平和憲章草案」の考えを普及させ、草案から「憲章」とするよう取り組んでいくことを決めた。
役員改選も行われ、新理事長に菅原副理事長が選出された。
兵旅協総会後には、兵旅協契約機関協力会(金子基文会長=琵琶湖グランドホテル京近江)の総会も開かれ、いずれの議案も原案通り承認され、役員改選では金子会長の続投が決まった。
のあと「中小旅行業平和憲章草案」について兵旅協の松岡武弘理事から要旨の説明があり、金子会長のほか交通機関、立寄施設の代表が現在観光業界で起こっている各事例を紹介した。
懇親会には150人が出席。総会前日に楠本氏が書いたメッセージを小林直基副理事長が読み上げ、諏訪さん、沙樹さんのダンスやタップ、歌が披露された。兵旅協役員らによるトラベラーズ、受入れ施設側の受入れブラザーズといったコーラスグループも登場し、35周年を記念すると同時に楠本氏を偲んだ。
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兵旅協の新役員は次の通り(敬称略)。
理事長=菅原博美(ドリーム観光サービス)▽副理事長=小林直基(小野旅行センター)▽専務理事=近藤貞雄(助七観光)▽理事=松岡武弘(国際ツーリストビューロー)、坂元英治(華トラベル)、門田基秀(国際旅行)▽監事=植戸和義(日本観光旅行社)、上野勝子(菊水観光)▽顧問=門田善二(国際旅行)、森川博一(全国観光)
楠本前理事長最期のメッセージ
本日は兵旅協35周年記念のめでたい席に理事長である私が参加できないことは非常に残念でなりません。
しかし、私が理事長在籍8年の間に守り通してきた精神である「お客様に愛と平和と夢を売る、笑顔あふれる温かいサービスの心」は、兵旅協の皆さんがきっと引き継いでいってくれると確信しています。
ぜひ、神戸発信でお客様に喜ばれる心をこめた手作りの旅を忘れずに、これからも頑張って下さい。
旅は平和の象徴であります。そして、皆の愛のたすきリレーで、つないでいくものだと思います。
私は在籍8年の理事長の席を今日で降ります。皆さん、長い間ありがとう。
そして最後に...。平和憲章の草案という文字が外され、平和憲章として広がることを願ってやみません。
今日の会が心に残るすばらしいパーティーになることを心から祈っています。本日は本当に35周年おめでとうございます。