被災エリアへ送客強化 名鉄観光サービス、神應社長が松島で約束
名鉄観光サービス(神應昭社長)は5月9日、宮城県松島町のホテル松島大観荘で2011年度全国支店長会議を開いた。当初、岐阜県内で予定していた会社創立50周年記念式典をキャンセルし、東日本大震災の復興支援の一環として急きょ松島での支店長会議開催を決めた。
名鉄観光からは会社幹部や支店長など約140人が参加したほか、被災エリアの協定旅館やバス会社、ドライブインなどの代表者が出席。松島の視察や、現状についての情報交換に加え、今後の対応について意見を交わした。
このなかで神應社長は、被災エリアへの送客強化を約束。北関東、東北エリアへの社員研修をはじめ、社員旅行に対する補助金制度を活用した家族旅行を促していく考えを示した。また、「中部関西エリアからの送客で名鉄観光に対する期待に応えたい」と、支店ごとに何人送客するのかブレイクダウンした具体的な計画づくりにも意欲を示した。
地元旅館連盟などパートナーからは、支店長会議開催への感謝と送客への期待、復興に向けた意気込みの声が多く聞かれた。
高橋宣安・名旅連東北支部会長(宮城県鳴子温泉・鳴子ホテル)は「支店長会議の開催に優る支援はありません」と感謝しながら、被災地視察ツアーなど新しい観光への取り組みに期待を示した。
また、会議場となったホテル松島大観荘の磯田光治社長は「松島は260余の島が防波堤となり津波から町を守ってくれ被害は軽微でした。松島は生かされました。生かされたものには使命があります」と、東北の観光復興の先頭に立つ覚悟を語った。
同ホテルでは震災後、4月3日に営業を再開。警備関係者やボランティアなど復興関係者など多数を受け入れ「先の見えない戦いを迫られていますが、西日本から東北への関心が高まっています。この機を逃さず送客の方法論を考えてほしい」と要望した。
協定ドライブインからは、明戸均・名鉄マーチ会東北支部会長が「平泉の世界遺産登録は東北復興の大きな力になります。ツアー造成の柱にしてほしい」、バス会社からは3・11以降、貸切利用がすべてキャンセルになったものの、東京発で東北の桜を見に行くツアーを催行したことなど「バスで観光復興のきっかけをつくりたい」と意気込みが聞かれた。